藍色の空の下〜3〜『銀の右腕』




PREPLAY GMすがたけ思案中


 GMすがたけは……今回は悩んでいた。


 前回の拙リプレイ〜『藍の淑女』をアップした旨をプレイヤー達にメール―― その際に帰ってきた『はせがー』氏からのメールにあったこんな一文が、その悩みの出所である。


 『キャラクターがどうもイメージと違うので、作り直してもよろしいでしょうか?』


 正直、彼が作成したキャラクター『陽賀寧路』は、その能力と選択した技能のバランスが悪かったのは事実である。


 だが、プレイを重ねることでそれを修正して行きさえすれば、能力と技能のバランスの悪さなどはどうとでもなることも確かだ。


 しかし、RPGとは突き詰めればやはり『遊び』である―― その遊びを、悩みや不満を抱えたまま遊んでも、楽しいのだろうか?


 という訳で、思考の袋小路に陥り、オーバーフローを起こしたGMすがたけが他のプレイヤー達にも意見を求めてみたところ、『変更もいいんじゃないの?』という意見が多数を占め―― 結果、新キャラクターを作成し、経験点はそのキャラクターにつぎ込む (このRPGはキャラクターが『経験を積んだ』ということではなく、プレイヤーとGMが『プレイした』という視点で経験点を得、プレイヤーの裁量でキャラクターを成長させる、というシステムである)ということで落ち着いた。





 そして、そのキャラクターに対応したシナリオも完成して迎えたプレイ当日……徹夜明けの『はせがー』氏はこう言い放った。





はせがー:すいませーん。寝てなくて脳味噌回ってないんで、キャラクタ作らずにそのまま初めてもいいですか〜?





 GMすがたけが、その申し出を却下したのは―― 言うまでもなかった。





はせがー:名前はこんな風になりますー(キャラクターシートを手渡して)♪


 ――古田……早苗 ―― か……はせがー君にしては、なんかえらく普通の名前やなぁ。


はせがー:で、不用意に名前を呼んだら『誰の名前がサ○エさんみたいだってぇ?!』と言って豹変します(笑)。


クボケン:仗○かよっ(一同爆笑)!!





 ―― はせがー君は、やはりはせがー君だったか(笑)。


会長:でも、高校生ということは……学生結婚?


はせがー:あ……じゃあ、名前変えます(消し消し&書き書き)。


 結婚前、ということで苗字を変えて……『御園早苗』で(笑)。


一同:変わっとらん、変わっとらん(一同笑)。


 と、いろいろ危険な伏字ネタをかましながらも生まれ落ちた、陽賀寧路に代わって登場するキャラクターを含めてのキャラクター紹介&成長はこちら(笑)。





PC@:羽鳥真琴


成長→エフェクト;鬼の一撃1LVを2LVに成長、一角鬼(身体に角等の硬質の突起物を生やし、それによって攻撃するエフェクト。素手の攻撃力を+[LV+3]・防御力を+[LV+3/LV+4]に変更する)を1LV、狼牙(鋭い牙を生やし、それによって『腕を振るう以外の攻撃』……つまりセカンドアクションを行うエフェクト)を1LV、奥の手(奇襲用の腕を一瞬だけ生やし、それによって攻撃を行うことによって相手の防御行動を[LV+1]分マイナスするエフェクト)を1LV修得。


Dロイス;『賢者の石(レネゲイド・クリスタル。レネゲイドの結晶体とも言うべき鉱物『レネゲイド・クリスタル』の適合者。1セッションに一度、クリティカル値を2下げることが出来るが、代償として侵食率が一気に2D10上昇してしまう危険を孕む)





PCA:牧場広志


成長→技能;射撃3LVを4LVに成長、エフェクト;ギガンティック・モード(武器を巨大化させたり、本来作成するものよりも巨大なものに変化させることによって、その攻撃範囲を[1体]から[範囲]に変更する)を1LV、プレイディクション(相手の行動を読みきることで、一切のリアクションを取らせることなく効果的な攻撃を加える、ノイマンの変異種のみが得ることの出来るエフェクト)を1LV修得


Dロイス;『変異種(イレギュラー。各々のシンドローム一つに対応して、他のオーヴァードには使えないような、特殊かつ強力なエフェクトを使用できる)/ノイマン』





PCB:御園早苗(みその・さなえ)


カヴァー/ワークス;高校生/UGNエージェントB


シンドローム;ハヌマーン/エグザイル


エフェクト;先手必勝(ハヌマーンのスピードを駆使して、イニシアチブをLV+3上昇させるエフェクト)1LV、貪欲なる拳2LV、浸透撃(掌に振動波を乗せて一撃を繰り出すことによって、素手の攻撃力を[LV−2]にするエフェクト。なお、超振動をその一撃に乗せているため、対象の装甲値を無視(受けた場合の『防御力』は有効)することが出来る)2LV、疾風剣(目にも止まらぬスピードで攻撃を繰り出すことで、相手の防御行動に対するダイスに2個のペナルティを与えることができるエフェクト)2LV、自在槍(四肢を遠心力をつけて振り回すことで槍のように変化させて攻撃するエフェクト。素手の攻撃力を[LV]に変更する)2LV。





 外見は18歳の女子高生。しかし、実際の年齢は誰も知ることのない、謎多き『永遠の少女』。『家族』と『恋人』に囲まれているものの、その存在が実際のものなのかも不明である。少なくとも確かなことは、10年以上前から変わらぬ姿形で世の裏舞台で前線に立ち続けている、可憐な見た目とは裏腹な女傑であることぐらいである。


Dロイス;『古代種(エンシェント・レネゲイド。不老などによって古代から生きている。もしくは、古代から変化することなく、同じレネゲイドウイルスが受け継がれている)





PCC:粟飯原裕樹(あいはら・ひろき←前回は『ゆうき』と誤表記してしまいました。申し訳ありませんでした!


成長→技能;知覚1LVを2LVに成長、エフェクト;神の眼1LVを2LVに成長。


Dロイス;『生還者(リターナー。レネゲイドの侵蝕に対して、自我を保ちやすくなる)





GM:では、今回のハンドアウトはこんな感じでーす。





 羽鳥真琴…シナリオロイス:『アガートラーム』橋尾晃太 推奨感情=P:親近感/N:食傷


 羽鳥真琴にとって、橋尾晃太という存在はUGチルドレンはもちろん、全ての人間関係の結びつきの中でも最も強い結びつきを持っている、といっても過言ではない。


 チルドレンらしからぬ明るさを持ち、UGN藍空支部に所属するチルドレン……いや、エージェントを含めても『日常』に最も近いと言ってもいい晃太の存在は、真琴にとって憧れですらあった。


 だが、ある春の日……その晃太がいつもとは違う真剣な顔で、真琴に訪ねた。





 牧場広志…シナリオロイス:『ヘルムクラッシャー(兜割り)』 推奨感情=P:好奇心/N:脅威


 その夜、牧場広志は新宿にいた。


 警察内部に巣食い、暴力団ともつながりを持つ悪を刈り取るために―― 。


 だが、鴻央会系列の中でも指折りの武闘派『閻王会』とその警察幹部の取引現場を強襲しようとした牧場の鼻腔を、血臭が刺激した。





 御園早苗…シナリオロイス:『ジャック・ザ・リッパー』 推奨感情=P:執着/N:憎悪


 UGNのK市支部……その訓練教官であった御園早苗に、UGN日本支部支部長である霧谷雄吾から、『この二月の間空席となっていた藍空支部の戦闘訓練教官に就任せよ』という辞令が下りる。


 だが、任務を了解し、退室しようとする早苗に、いつものように霧谷は厄介な一言付け加えた。





 粟飯原裕樹…シナリオロイス:『ギース・セカンド』橿原七瀬 推奨感情=P:尊敬/N:嫉妬


 粟飯原裕樹はフリーのジャーナリストとして日常を過ごしている。


 今日も今日とてネタを追い、夜の新宿を歩いていた粟飯原は、その羽根を休めるために行きつけのBARに立ち寄る。


  裏社会の入り口としてごく一部で有名なそのBAR―― 『NEST OF GEESE』のカウンターに座り、粟飯原がシングルモルトを飲み干した時、凛とした表情が魅力的なバーテンダーの美女は話を切り出した。





クボケン:うおーッ!俺の感情は『嫉妬』とか『憐憫』とか『猜疑心』ばっかりじゃないかーッ(一同爆笑)!!俺、心狭ッ!!


GM:いや、それみんなネガティブ感情だから(笑)。


 ともあれ、スタートです。シーンプレイヤーは最初は粟飯原さんから。


 ―― しかし、推奨感情……ポジとネガ、GMからの指定は片方で、残ったどちらかは自由、ということにしとけば良かったかな。今後のシナリオロイス決定の参考にしとこう。





OPENING PHASE


 01 雁の巣にて シーンプレイヤー:粟飯原裕樹





 奇妙な場所に案内しよう!


 そこは新宿副都心……とある超高層ビルの屋上にある―― 周囲から死角になっていて、その存在を知る者は極めて少ない。


 BAR『雁の巣(NEST OF GEESE)』それが店の名だ。


 だが、この店を知る者は知っている。この店は日本最大の闇の情報屋にして違法武器の密売屋、そして、殺し屋の斡旋まで行う国内有数のダークサイドの接点である、ということを。


 何故なら、そのことを知っている彼自身も、世界の闇に足を踏み入れた者であるのだから。


 そして、半ば、世界の闇とつながる男が、ここにもまた一人―― 。





GM:「お久しぶりですね。あなた向きの情報は……そうね。小野寺薫って名前は知っていますか?」


粟飯原:?知ってるんですか?


GM:<情報:報道>か<情報:噂話>を6で振ってみてください……成功したなら、『この春彗星のようにデビューしたアイドル歌手。歌唱力やルックス、トークと全てにわたって高水準』というのを思い出します。「彼女に恋人の影がある、という情報がありますよ」


粟飯原:「いやぁ、判ってるじゃないの、七瀬ちゃあん。いやぁ、俺もあの娘は怪しいと思ってたんだよねぇ。きっと押○学みたいなことを言っている彼氏が……『“学”という字は俺がお前らから学ぶという意味じゃない。お前らが俺から学べという意味なんだ』とかいうことを言っている彼氏がいるんだよ」(一同大爆笑)


真琴:○尾先生かっこいー(一同爆笑)。


 ……でも、小野寺薫って……売れそうにない名前だよなぁ。


粟飯原:演歌歌手みたいな名前ですよね(笑)。


 そのうちつんく♂みたいなプロデューサーがついて、改名するんじゃないですか?小野寺薫『。』とか(一同笑)。


真琴:小野寺薫『♀』とか(爆笑)





GM:何はともあれ、ここで一旦シーンを切りまーす。





02 血臭 シーンプレイヤー:牧場広志





 新宿の夜を、血の臭いが染めた。


 有り金全てを賭けてもいい。ここに生存者はいない。


 だが、この惨劇を作り出した殺人者のやり方はあまりにも不恰好だ。一切の痕跡を残さずに暗殺を行うことが出来る自分ほど、とは行かずとも、これ見よがしに死体を残しているのはちといただけない。


 だが、全ての死体の眉間を断ち割り、銃弾すらも斬り落としているその斬撃はあまりにも確か――それも間違いはない。





GM:というわけで、次は牧場さんのシーンになります。


牧場:「品がない……品がないぜ。俺ならもっと巧く殺れる」……って、俺ってこんなキャラだっけ(一同大爆笑)?


粟飯原:きっと一人でいるときにはこんな感じなんですよ。


牧場:でも恋愛感情が絡むと一気に変わる(笑)。


粟飯原:恋愛感情って……あれ?!真琴に対しては『庇護』とかそんな感情なんじゃなかったんですか(爆笑)?


牧場:(口調を昔の某猫型ロボットに変えて)暖かい目線〜〜(一同爆笑)。


GM:まぁ、思い当たる点がちょっとありますから、情報:警察か裏社会で7を目標にお願いします……成功なら、ついこの間、コロンビアに本拠を置く麻薬カルテル『蛇(セルピエンテ)』の極東支部が何者かの手によって壊滅した上、本国からの報復部隊も速攻で返り討ちにあったという事件が一月ほど前にあったこと―― そして、その犯人の手口とこの傷の太刀筋は似通っていることを思い出します。


牧場:「む、この傷は……覚えがある」で、この傷はどんな風につけられてるんですか?刀傷とか、獣の爪か何かでつけられたような傷、とか。


GM:刀傷ですね。


粟飯原:そういえば、この時間帯は深夜、ということでしょうか?


GM:?……まぁ、深夜ですね。


粟飯原:場所には人通りも何もない、ということでいいんですね?


真琴:ちぃっ!モブもプレイ出来やしねぇ(笑)。


GM:こんなところにモブがいたら大変じゃないですか(笑)


牧場:(突然通行人)「ああっ!人が死んでるぞ!?」(一同爆笑)


 ―― 自分から率先してやりますか(笑)。


早苗:(やはり通行人)アンタがやったのか……おまわりさーんっ(一同爆笑)!!」


牧場:「バカにするな、俺ならもっと綺麗にやる」


真琴:(もちろん通行人)「『俺ならもっと』ぉ」


早苗:(案の定通行人)「おまわりさん、こっちです。こっち!」


粟飯原:(いきなり警察官)「ええい、本官は今ラーメンを食べているというのに(一同大爆笑)」


真琴:(ナレーション口調で)そのとき、牧場のパイソンが4度火を噴いた(一同大爆笑)。


 ―― みんな、いきなり元気になるなぁ(笑)。


GM:(何かから目を逸らすように)まぁ、そんな感じでシーンは終了いたしまして……。


粟飯原:牧場13(ぼそ)。


真琴:あ、モブ死んだまんま(笑)。


GM:そんなのは、シーンごと爆破してやります……えい(ぼーん)!


真琴:シーン爆破されちゃったよ(とても残念そう)。


 ―― 何故にそんなに寂しそうなのか(笑)。


GM:何はともあれ、次のシーンに入ります。シーンプレイヤーは早苗さん。





03 怨讐の記憶 シーンプレイヤー:御園早苗





「『ジャック・ザ・リッパー』―― 覚えていますか?」霧谷の言葉が早苗の鼓動を早める。10年前、あの男によって被った手痛い敗北の記憶が……あの時に喪った仲間の記憶が、まざまざと蘇ってきていた。





GM:というわけで、早苗さんのオープニングです。


 10年前、中東においてFHの計画していた大規模作戦がありました。紛争中の中東某国において、ミサイルの弾頭に活性力を促進されたウィルスを封入し、それによって爆発的にオーヴァード化する人間を増やす予定だったんです。それそのものは阻止することは出来たんですが、その作戦を阻止するために出動していた早苗さんとその仲間の所属していた部隊はたった一人のオーヴァードによってズタズタに切り裂かれました。


牧場:(突然隊員)「隊長、隊長助けてくだ……うわあぁぁぁぁぁっ!!」


真琴:何時の間にか隊長になってるぅ(笑)。


GM:そのオーヴァードのコードネームが『ジャック・ザ・リッパー』―― 間違いなく歴戦の兵士なのだろう凄腕のナイフ使いであり、恐らくはブラム=ストーカーを有していることだけは、忘れたくとも忘れることはできません。


「あの時を最後に彼の情報は途絶えていましたが―― 飽くまで未確認情報なのですが、藍空市でこのところ連続して起きている大量殺人事件のやり口が、あまりにも彼の手口と似過ぎています」


早苗:「ま、まさか奴が」


GM:「ええ、そうかもしれません。藍空といえば、あの羽鳥真琴くんのいる場所……伝説のFHエージェントがレネゲイド・クリスタルと癒着、融合した彼を狙って動き出した、そう推察してもいいとは思いませんか?


そこであなたにお願いしたい本当の任務を伝えます―― 彼を、サポートしてやってください」


そう言って、霧谷は頭を下げた。


早苗:「サポートですか……ふふふ、こう手取り足取り―― 」


 ――そんなキャラやったんかい。


真琴:やれるもんならやってもらいましょうか。


早苗:「私の速さについてこれるかしらっ!?」


GM:パワーでクラッチ切られるんと違いますか?


真琴:(ぼそりと)……本当の姿(洒落で描いてた6mはある怪獣のイラストを見せながら)


早苗:「霧谷さん!こんなラスボスみたいな正体を持ってる人をどう教育しろと(一同爆笑)?」


GM:そんな早苗さんに霧谷さんはにっこりと笑いながら、肩をぽんと叩いていいます。「頑張って……何とかしてください(凄くいい笑顔で)」


 まぁ、そんなこんなでシーンを切らせて頂きまーす。





04 親友 シーンプレイヤー:羽鳥真琴





「……なぁ、真琴」UGN藍空支部が一棟丸々借り切っているマンション……その一室で、いつになく真剣な表情で話を切り出す晃太に、真琴は思わず居住まいを正す。


「―― 年下も、いいモンだなぁ」


 真琴は思わず、コケた。





真琴:「ど、どうしたんだ晃太?なんか変なものでも拾い食いしたのか?」


GM:まー、話を総合すると、晃太に年下の彼女が出来たらしいんですわな。とはいえ、日頃はおねーさん好きで年下には興味はナッシングという奴だったのは真琴もよく知っています。ついこの間も、藍空支部の訓練教官が正式に決まるまでの二ヶ月ほどの期間、日本支部から臨時の訓練教官として、ルールブックにも載っているこの……『ジェイド・アーム』館山紀美香(たてやま・きみか)というお姉さんが送り込まれていたんですが、このおねーさん好きは「おねえすわ〜ん!!」と毎日アタックを繰り返してはぼこりとぶん殴られて撃墜されておりました(笑)。


真琴:ああっ!?完璧に晃太のキャラが出来ちゃったぁ(笑)。


 ―― そりゃまぁ、オープニングっちゅーのはそもそもキャラクターを掴ませるのが目的だし(笑)。


GM:とまぁ、そういう奴なんですが、どうやら逆ナンされてコロッとやられたようなんです。


真琴:「いったいどうしちゃったんだよ、晃太?この前まで『紀美香さん、紀美香さん』って言ってたのに(笑)」


GM:(がらりと声の調子を変えて)「それが、な。街で数人の男に絡まれているこの娘を、私が助けたことが切っ掛けでな」と、さっきまでの軽い口調から一転して真面目くさったトーンで携帯の写真を見せますよ。


真琴:ええっ?!こいつこれで一人称『私』?!


GM:いやいや、真琴は知ってることなんですが、実は晃太はDロイス『戦闘用人格』を持ってまして……今喋ってるのはその第二人格『ヌアザ』の方です。


真琴:ああっ!親友なのに知らなかった〜(一同爆笑)!!


 それはとにかく、見てみますよ。「まさか、ゆう菜さんじゃないだろうな?」


GM:いや、それは違います(きっぱり)……その携帯に収めてある写真については、逢ったことはないものの、見覚えはあるという印象ですね―― というわけで、<情報:噂話>で7をお願いします。


真琴:ないなぁ……<情報:UGN>じゃ駄目(なぜか可愛らしく)?


GM:駄目です(どきっぱり)……で、成功したんなら、小野寺薫に無茶苦茶似ていることに気がつきますよ。


真琴:もしかして……薫ちゃん?今人気の薫姫じゃないのか?!」


GM:姫やったんかい(笑)?!


真琴:いやいや、こうやって呼ばれているんですよ、ファンの間では(笑)。


牧場:しかもファンだっ(笑)!!


真琴:あ、いや……TVでそう言ってるのを見たことがある、ということで(笑)。


 ―― こういう勝手な掛け合いの繰り返しで、RPGというものは世界を拡げていくものなのです(笑)。


GM:「女の扱いは苦手だから晃太に任せたから、それは知らなかったがな……この通り、骨抜きになっている」


真琴:「でも、晃太が年下を好きになるとは思ってもなかったからなぁ(しみじみ)」


GM:「ああ……全くだ」そう言いながら、がっくりと肩を落とします。


真琴:まぁ、戦闘用人格ですしねぇ(笑)。


GM:「とはいえ、こいつが人並みの幸せを掴むことは私にも喜ばしいことだからな―― だから、私からも頼む。『でぇと』とやらの段取りを手伝ってやってくれ。そう言うことならお前が適任だろう」そう言って、肩をポン、と(笑)。


真琴:そうだなぁ……って、でぇとぉ」


粟飯原:(ナレーション口調で)その時、羽鳥真琴の頭の中では、『デート』という単語を辞書で引いた時の意味が羅列されていたのであった―― 『デート;名詞』(笑)


真琴:頭の中で草原を「あはははは!あはははは!まぁてぇ」と、追いかけっこしている風景がっ!!


GM:(無視して)「ゆう菜、だったかな?確か、春休み中に遊びに来たはずだったが?」


真琴:ぎくぅ(笑)!!


牧場:何時の間にかバレてるっ(笑)!?


GM:「それに、ほぼ毎日メールでやり取りしているじゃないか」


真琴:ぎくぎくぅっ(悶笑)!!


GM:「頼む―― あんな恥ずかしいやり取りは私の圏外でやってくれ。ただでさえ落ち着きのない晃太が、より一層落ち着かなくなる」


真琴:なんか個人情報が流出しているのが気になるけど……判った。


GM:そこまで言ったところで、ぽん、と晃太に戻りまして、「なぁ、頼むよ、真琴ぉ。デートの成功の秘訣、教えてくれよ……なっ!俺達、親友だろ?」


真琴:じゃあ、晃太に肩を掴まれ、首をガクガクさせながら頷きましょう(笑)


粟飯原:一方その頃、俺はインターネットの探偵サイト『ブ○カ』で情報を手に入れます。「なになに、薫ちゃんの彼氏は同い年くらいの高校生……ふーん、なるほどねぇ―― 荒らしの書き込みでもしておこうかなぁ」(笑)


GM:待ていッ(笑)!!荒らしなんかしてるよ、この人(笑)。


 とまぁ、屈託なく笑ったところで一旦シーンを切らせて頂きます。


 で、続いてマスターシーン……ホントのことを言うと、これは一番最初に来るはずでしたが……入れるの忘れてました_| ̄|○





MASTER SCENE





 暗闇に染められた部屋の中、突然モニターの灯りが灯る。


 モニターに映るのは、黒い長髪の美女。ただし、美しさよりも何よりも、近寄り難い存在感を画面越しであってもなお感じさせる、妖しさのほうが先にくる妖艶なる美女……名は都築京香―― FH日本支部支部長だ。


「マイマスター ―― UGNの『レセプター』がクリスタルと接触した模様です。


 スリーパーからの連絡によると、侵蝕そのものはまだ始まってはおりませんが、既に融合は完了しており、次の段階に進むまでは、時間の問題かと」


 モニター前に傅く何者かの声が、部屋に響く。


 その声に応じるかのように、モニターに映る『プランナー』の口が動いた。


「次のプランを伝えます―― 『ジャック・ザ・リッパー』をそちらに送ります。彼の扱いを間違えぬよう……頼みますよ?」


「イエス―― マイマスター」


 恭しく頭を下げる気配が、部屋の空気を微かに揺るがした。





真琴:すると、UGNとFHのマークがひっくり返るアイキャッチが入る、と(一同爆笑)。


GM:CMに行かないでー(笑)。


 ともかく、オープニングは終わったから、続いてミドルのマスターシーンに入ります。





MIDDLE PHASE


MASTER SCENE


 悪名高きFHのエージェント『マスターレイス』日下部仁(くさかべ・じん)が藍空市に構えるアジトを強襲したUGNのエージェント部隊。支部長である黒崎自らが直接指揮をしていることからもこの作戦の重要性はあまりに高いことは間違いない……しかし、完全武装のエージェント達がなだれ込んだそこには生者の姿はなかった。


 ドアが開かれるとともに臭い立つ血臭。


 頭を切り裂かれた血塗れのFHエージェント達の死骸。


 『マスターレイス』の姿はそこにはない。20人からのマスターレイス直属の部下達がこうも容易く斬り捨てられるとは、にわかには信じ難い。


 目の前の光景に呆然としたからだろうか……黒崎がその気配に気付くのが遅れた


「……ッ!」


 総毛立つ殺気に振り向いた黒崎が見たものは―― 視界を縦に両断する刃の赤い光だった。





 01 惨劇の中に シーンプレイヤー:牧場広志





 通報を受けて倉庫街に向かった牧場とその仲間の刑事達は、30人を超える完全武装の人間が倒れている姿を見る。


 またか―― そう思い、現場を鑑識に任せようとした牧場は、自分を呼ぶ声を聞いた。


 トレードマークの丸眼鏡を喪っており、気付くのが遅れたが、UGNの藍空支部長の黒崎だというのに気付いた牧場に、消え入りそうな声で黒崎は言った。





真琴:じゃあ、がはっ、がはっとか血を吐いて……。


GM:いや、眉間を切り裂かれてるんで、血は吐きませんが(笑)。


真琴:眉間でも吐くんだよぉ(一同笑)


牧場:(何かに気付いた)黒崎には……ポジティブ感情『純愛』を持ってますが(一同大爆笑)


真琴:ひいーぃ(苦しそうに)。


牧場:まぁ、心配しなくても表の感情はライバル心の方が出てますから(笑)。


 ―― いや、真琴に対しての感情といい、この『純愛』といい……正味の話、牧場さんにものごっつい恐ろしいさを感じるんですが(笑)。


牧場:「お前ほどの男が、こうもあっさりと、か」


GM:「ご迷惑をおかけします―― 情けない話ですが、たった一人にやられてこの様です……お手数ですが、武田さんに偽装工作をしていただけるよう、手配して頂けますか?」そう言って、黒崎は意識を失った。


牧場:「く、黒崎ーっ!!」


GM:まぁ、オーヴァードで侵蝕率100%超えてないんだから、死にはしませんけどね(笑)。


 シーンが変わって、次は真琴と早苗さんです。





02 嫌疑 シーンプレイヤー:羽鳥真琴&御園早苗





 明けて翌日、藍空支部に衝撃が走った。昨夜未明、藍空支部に所属する腕利きエージェントの大半を投入した大規模作戦が失敗に終わり、15人のエージェント達が壊滅したのだ。


 生存者は黒崎や陽賀を含めた5名……ただし、集中治療室で治療を受けている予断を許さない状態であり、主要メンバーを欠いた藍空支部は今このとき、ほぼ機能不全に陥った、と言っても過言ではなかった。





GM:というわけで、藍空支部のエージェントとチルドレン達は作戦失敗の報告を受けます。


真琴:あ、陽賀さんいたんだ(さらり)。


GM:ひ、ひでぇよ、それっ(一同爆笑)!!まぁ、全員やられたわけではないです。侵蝕率が100%超えてない人たちは何とか生き残っているわけでして(笑)。


真琴:「黒崎さんがやられたって本当ですか?!」と病室に駆け込みますよ。


GM:まぁ、今は病室じゃないんですが(笑)。藍空支部の支部長室でその通達を伝えたUGN本部からやってきたエージェント・藤崎弦一(ふじさき・げんいち)は今現在、生き残った五人も予断を許さない状況である、ということは言いますよ。


真琴:じゃあその報告を聞いて一言言いましょう……ああ、いいやどうでも(笑)


GM:いいのかよ、どうでもっ(笑)!!


 それはとにかく、報告を終えた藤崎は支部長室に集まった数人のエージェントやチルドレン達に通常の任務に戻るよう命じますが、遅れて立ち去ろうとした二人を呼び止めて、藤崎は内偵調査を命じます。その対象は、橋尾晃太―― 。


真琴:御園さんでしたっけ……ここにいるんですか?


GM:そりゃまぁいますよ。辞令が下りて着任した当日なわけですから。


牧場:えっと……俺もそこにいていいですか?「黒崎がやられたとあっては黙ってられん」


GM:すいません……その言葉の意味、深読みしすぎて凄く怖いんですが(笑)。


真琴:ああ、じゃあ僕は牧場さんに教えてもらってここに来た、ということにしますよ。ほら、僕と牧場さんは仲良しだから(笑)。


 ―― 支部長室といってたはずなのに、何時の間にか病院になってるような気がするのは……気のせいでしょうか(笑)。


粟飯原:一方その頃、粟飯原は陽賀とメールのやり取りをしていた。『なんだ、失敗したんだって?』


真琴:いや、今集中治療室にいますから(笑)。


GM:ピッ、ピッ、ピッ、ピッ(心音をモニター中)……ピ――――――――――ッ!!


牧場:(ノリノリで医師)「突然容態が急変したぞっ!!」


早苗:(突然陽賀)『いやぁ、大量投入されたら普通全滅するから、悪い予感はしてたんですよねぇ』


 ――って、元気にメール返信してるよ(笑)。


粟飯原:良くなったらサザンカでも持っていってやりますよ。「サザンカどうも」


真琴:話を戻しますよ。「どうして晃太を疑わなければいけないんですかッ?!」


GM:「(真琴と早苗にメール送信して)俄かには信じ難いかもしれないが……破壊された監視カメラのデータを復元して得た映像がこれだ―― 万一の確率で橋尾晃太の姿を使っての偽装工作だとしたとしても、何故橋尾晃太なのか、という疑問が残る。それを掴むためにも調査が必要―― 判るな?」


真琴:「晃太が……晃太がこんなことをするはずはありません!これは晃太じゃありませんっ!!」


GM:(冷たく無視して)「言っておくが、これは本部からの命令だ。これに対する答えは―― Yes以外許さん」藤崎からのメールに添付された映像には、虚ろな瞳の晃太がその右手に握った長剣を振るい、FHエージェント達を一方的に虐殺する姿が……真琴も見たことのない、殺戮の喜悦の表情を浮かべる晃太の姿が映っていました。


真琴:「これは何かの間違いですっ!!」


GM:そう言うことなら、この映像を見た二人は情報:UGNでチェックしてみてください。


 その映像をよく見ると、晃太の使う武器がいつもと違う点に気付きますよ。いつもは右腕の義手を直接変異させて作り上げた両手剣を振るうんですが、この映像の『晃太』はそれとは違う赤い色の片刃の長剣を振るっている、というのが違う点ですね。


早苗:あのー、その『赤い色の刀』について何か見覚えはあるでしょうか?


 ――おお、やっぱりそこに行きついたな。


GM:そうですね……じゃあ、情報:UGNで……因縁深い相手だろうから、特別にダイス目にさらに+3で――


早苗:ファンブルっ(一同爆笑)!!


GM:いきなり台無しですかッ(爆笑)?!


早苗:何かを思い出しかけて、恐怖で震えます。「うう、頭が、頭がぁ――――っ!」(一同笑)


牧場:その映像に残ってる顔が、真琴の友達だというのは俺も知っていていいんでしょうか?


GM:(ちょっと考えて)まぁ、知っていますよ(にやり)。


牧場:「黒崎を殺ったのはこいつかぁ……許せん


真琴:「晃太はそんなことはしませんっ!!」


牧場:「まぁ、締め上げちまえば判ることさ」(にやり)


真琴:ま、牧場さーん?!


早苗:「でも、昨日すれ違った時もなにやら『今は年下、今は年下ッ!』とか言っていたように……変なところはあるようだけど、こんなことが出来るような子には見えませんでしたよ」(一同笑)


牧場:黒崎が殺られたことで居ても立ってもいられなくなっています。「うう〜、早く殺らせろー。俺に黒崎の仇を討たせろ――っ!」


GM:や、いろんな意味で怖いですから、勘弁して下さい(笑)。では、シーンを一旦切りまして……。


粟飯原:(突然ナレーション)だが、それがあのような事件を引き起こすことになろうとは、誰も思っては居なかった(一同爆笑)。


GM:早っ(爆笑)!!


 03 尾行 シーンプレイヤー:羽鳥真琴&御園早苗





 表向きは日常に戻りつつ、オーヴァード達はそれぞれの思惑を胸に動く。


 そしてその思惑は、意外なところで結びつきを持つことになった。





早苗:じゃあ、私は真琴と同じクラスに転校してきた、ということで(笑)。


真琴:いや、御園さん18歳だから、そちらが一つ先輩ですよ(笑)。きっと、よくありがちな、女生徒からもラブラブ光線を発射されるような先輩なんでしょう(笑)。2年生のクラスに立ち寄ったらそれだけでざわざわするような(笑)。


 それはさておき、日常の学校生活を描写せよとの神からの命令電波を受信しましたので(笑)。


GM:いや、別段送信はしておりませんが(笑)。


 まぁ、藤巻からの命令通り晃太を監視しないといけない、というのがありますから、それほど描写もありませんがね……ちょうど土曜日で半ドンということもありまして、この日の午後はデートという運びになっております(笑)。


真琴:ああっ!!そういえばデートをサポートしなくちゃいけないんだった(笑)。


GM:あ、いやいや……サポートつっても、前夜になんぼかアドヴァイスをする程度でいいんですけど―― あくまで今回のメインは晃太の尾行、ということで(笑)。


早苗:ああっ!そういえば晃太くんが年上を狙うのはまだしも、年上の方から晃太くんを狙っているなんてっ(爆笑)!!


真琴:「ああっ!!晃太、逃げて、逃げてーっ(一同爆笑)!!」


粟飯原:で、真琴達の通っている高校はなんていう高校なんでしょうか?


GM:ああ、それをいうのを忘れてましたね。私立新星高校、といいます。


 ―― 藍空市に新星高校……判る人には判るネタだけど―― どうやら不発だったらしいな(笑)。


粟飯原:じゃあ、『薫姫の彼氏は新星高校生』という書き込みを見てやってきている、と(笑)。


真琴:来ているのかッ?!


粟飯原:そりゃ当然来てるに決まってるじゃないですか(笑)。グラサンに帽子を被っている薫ちゃんを遠巻きに張っていますよ(笑)。


GM:んー、そうですかー。じゃあ、晃太を尾行している最中、二人は妙な違和感を覚えますよ。


 というわけで、知覚と隠密の対抗判定を行います。真琴と早苗さん組が知覚、粟飯原さんは隠密で判定して下さい。


粟飯原:「えーっと……ゴメーン、奥村さん、バレたかも」(達成値9)


真琴:ファンブルっ!!(一同爆笑)「なぁんだ、猫か」(1振って自動的失敗)


早苗:クリティカルッ!クリティカル!!「ふふふ、女の勘を舐めちゃいけませんよ」(達成値23)


粟飯原:やっぱり『ハイスピード山岸由○子』なんだよなぁ、早苗って(笑)。こう、『ラブデラックス!!』みたいに(笑)。


 ―― また濃いネタを(笑)。しかし、それで充分サークル全員に通じるって……ある意味凄いよなぁ(笑)。


GM:んでは、粟飯原さんが晃太達を尾行しているということに、早苗さんは気付きますよ。


早苗:「そこにいるのは誰ッ(ばばーん)!!」


粟飯原:じゃあ、電信柱の影から登場しますよ。「いやぁ、久しぶりだねぇ、羽鳥君……あ、ワタクシ、K新聞社のゴシップ誌『レーザー』のライターをやっている粟飯原といいます」とかいいながら名刺を出しますよ。


真琴:あ、粟飯原さん、相変わらず軽い(笑)。


 そういえば、牧場さんは……。


牧場:「うう……あいつが黒崎を――ッ(ぎりぎり)!」


真琴:なんか後ろから立ち昇っている怪雲が凄いことになってるぅ(一同爆笑)!!


粟飯原:って、判定はしなくてもいいんでしょうか?


牧場:いや、そもそも隠れて尾行なんてしてませんから(一同爆笑)。


 ――うぉっ!まさか牧場さんまでここで登場するとはっ?!それにしても、粟飯原さんが一生懸命登場しようとしてタイミングを計りつつ茶々を入れてたのと対照的だなぁ……一発で出番をもぎ取りよったわ(笑)。やはり、この人の力技って……凄い(笑)。


GM:まぁ、ひとまずシーンを切りますよ(汗)。





 04 疑惑 シーンプレイヤー:粟飯原裕樹





 小野寺薫をマークし、その交際相手とのデート現場を尾行していた粟飯原は、思わぬところで顔見知りのオーヴァード達と出会ってしまった。


 腐れ縁とは、このようなものか―― 半ばうんざりとそう思ったその時、粟飯原はカメラのシャッターが切られる音を聞いた。





GM:というわけで、全員が合流した、というところでシーンを一旦変えまして……突然ですが、皆さんには知覚でチェックをお願いします。達成値は8で……成功した粟飯原さんと牧場さんは、『カシャッ!』という……かすかなカメラのシャッター音らしき音を聞きますよ。


粟飯原:「あ、やべぇ……俺の十八番取りやがったぜ」(にやり)


GM:で、ですね……パパラッチらしきその男がほくそ笑んで立ち去ろうとするところを、何時の間にか晃太が立ち塞がり、ペンに仕込まれたカメラを奪い取りますよ。


粟飯原:「ほっほ〜ぅ、かっこいいねぇあのボクぅ」


真琴:(突然晃太を乗っ取り)「何撮ってんだよぉ!」


 ―― おっとっと……ここでいつものように乗っ取られるわけには行かないんだ……重要なシーンなんだから。


GM:んで、晃太はというと―― 腕を捩じ上げて路地裏に連れ込んだパパラッチの抗議の声を無視して、ぼっこぼこに殴り飛ばしていますよ。


真琴:思わず飛び出します。「止めろ晃太!お前一体何やってんだよ?!」


粟飯原:「はいはーい、その辺にしとこうねー。流石に暴力沙汰はまずいからさぁ」


真琴:「どうしちゃったんだよ、晃太?!なんか変だよ、お前!」と言って、羽交い絞めにします。


GM:ボコボコに殴り倒したパパラッチを呆然と見下ろすように立ち尽くす晃太ですが、真琴のその声に気付いたらしく、はっと顔を上げます。「あ……あれ?まこ……と?」


牧場:じゃあ、照準を合わせて……と(ぼそ)


真琴:はいはーい。ここいいシーンだから黙っててー(笑)


牧場:(無視して)「ううー、黒崎の仇ー(ものごっつい情念がこもった声で)


GM:凄く怖えぇよ、この人!!情念というか、歪んだ欲望渦巻きまくってるしっ!!


牧場:そんなことを言われても……ロイスに忠実なだけですよ(文字で表せない、素晴らしい笑顔で)。


 ――違う、絶対に違うっ!!


真琴:「今のうちに逃げるんだっ!」と、パパラッチに言いますよ。


GM:(なにかから眼を逸らすように)……で、ですね……その様を眺めていた薫が、殴り倒されていたパパラッチの傍らにしゃがみこみ、何事かを囁きますよ。


粟飯原:?……俺達の目の前で?


GM:目の前でです。で、「さぁ、行きましょ……晃太くん?」薫はそう言ってその場を離れますが……それから数秒置いて、パパラッチはその場からちょっと離れたところで悲鳴をあげます。


粟飯原:もしかしたらそのパパラッチ知り合いかもしれないんで、行ってみます。


GM:行きますか―― じゃ、何かから逃げるように数歩歩き、ぱたりと倒れます。


粟飯原:おい、ウソジマ……ウソジマだろ?!この間、俺と一緒に国会議員にガセメールのネタを売り込んだ―― あの時には巧くいったよなぁ」(一同大爆笑)


真琴:アンタらやったんかー(大爆笑)!!


早苗:おまわりさーん、ここに犯人がー(大爆笑)!!


GM:(呼吸困難に陥った息を整えて)既に息はありません……どうやら心臓マヒか何かのようですね。


牧場:「どうしたブン屋?」


粟飯原:「いやぁ、こいつは情報屋のウソジマって奴なんですが……どうやら心臓マヒか何かでイカレちまったらしい」


牧場:(時代劇の同心のような口調で)……駄目だな、手遅れだ」(一同爆笑)


GM:アンタらそれがやりたかったんかー(笑)!


 ――しかし……打ち合わせたわけでもないのに……凄いコンビネーションだ(笑)。


牧場:で、その死に方に怪しい点とかはありませんでしたか?


真琴:そりゃ、体中の穴という穴から血を流して死んでいるんだから、怪しいですよ。


粟飯原:『薫姫に二の打ちいらず』……拳法使いの間ではそう呼ばれているのであった(笑)。


 ―― 間髪入れずに『拳児』で来たか(笑)。


牧場:それにしても……怪しい。一瞬でバラバラに(笑)。


GM:してません(ツッコミ)。


粟飯原:「というか、あの女俺達の目の前でなんかやらかしましたぜ?誘ってるとしか思えないぐらいですよ」


というわけで、「こいつは臭ぇ。腸から腐った臭いがプンプンするぜぇ!」


 ―― どこのスピード○ゴンかっ!!


真琴:じゃあ、薫姫に駆け寄って、肩を掴んで言いますよ。「アンタ一体何やったんだよっ!」


GM:「別に……何もしてないわよ。ただ、『顔色悪いわよ―― 乱暴なことしてごめんなさいね』そう言っただけよ?」


真琴:じゃあさらに聞きます。「アンタ一体何者なんだ?晃太に何をしようとしてるんだッ!!」そこで晃太が割って入って言うわけですよ。「止めろ真琴!薫ちゃんに何するんだよ!」そこに薫姫が「晃太くん、行こ♪」と言って入ってきて、二人はその場を立ち去ります。そして、僕は呆然とそれを眺めることしか出来なかったわけで。


 ―― 三人同時制御……やるなぁ(笑)。


粟飯原:(携帯電話越しに)「奥村さーん。ちょっと面白そうなネタを見つけたんで、そっち追いません?『パパラッチ変死!政界メール問題に関連か?!』って感じでやれば、もう一回火をつけることが出来るんじゃないんすか?」(一同大笑)


GM:んでは、一旦シーンを切りまーす。で、そのまま直結して―― 次のシーンです(TEL)。


牧場:おお、俺か。





 05 魔女は暗闇より シーンプレイヤー:牧場広志





 立ち尽くす4人を覚醒させたのは、牧場の携帯のコール音だった。


 その相手は―― 武田信晴。


 UGNとも繋がりを持つ警察官僚であり、法が裁くことの出来ない相手を斬る断罪の刃―― 暗殺者を取り仕切る、牧場の数少ない同志の一人であるダークサイドの住人―― その声が、告げた。


「黒崎氏が意識を取り戻したようだ。本来なら面会謝絶なのだが、お前に話があるらしい」





GM:というわけで、牧場さんに電話が入りました。


牧場:じゃあ、まだあの二人をつけようとしている真琴と早苗に言いましょう。「そんなことをしている場合じゃないぞ!黒崎さんが意識を取り戻したんだ!!さぁ、行くぞ(爽やかな笑みとともに)!!」


真琴:キャラまた変わったなぁ(爆笑)。


早苗:じゃあ、我々はホテル街に消えていく二人を尻目に病院へ向かいましょう(笑)。


GM:ホテル街かよッ(笑)!!


牧場:それなら、『とらのあな』に消えていく二人を尻目に(笑)。


粟飯原:あのー……その場合、プロレスか同人誌かで意味合いが大いに変わってくるんですが(笑)。


GM:……『執事』もあるよ(ぼそ)。


 ―― その『とらのあな』は、あまりにマイナーです(笑)。


真琴:とにかく病院に向かいます。


GM:んでは、通された集中治療室で、黒崎はあの夜のことについて語りますよ。


「あの時の敵は……藍空支部所属のチルドレン、橋尾晃太の姿はしていましたが、その使用エフェクトは晃太のものとは全く違います。むしろ、その真っ先に眉間を狙ってくるやり口は、データにある『ジャック・ザ・リッパー』のそれに酷似しています」


早苗:「ううっ!ジャック・ザ・リッパー!!あいつが、あいつがあぁっ(ぎりぎり)!!


 でも、ジャックはあんな子供じゃなかったはず―― (混乱)」


GM:オープニングでヒントは出しましたけど……はっきり言ってしまえば、ブラム=ストーカーのエフェクトに『血の従者』って奴がありまして……それを使えば、体液を素材にして『従者』という疑似生物を作ることが出来るんですよ。で、その姿は製作者の意志次第で自在に変更が出来るんです。


 ―― むぅ……みんなきょとんとしている―― やっぱり、ルールブックを持っている人間が少ない(しかも、持っている一人も前日入手)状況でルールを使ったトリックは使わない方がいい、ということか。


粟飯原:「そういえば、晃太とその彼女を付け回していたウソジマって奴が、彼女に声を掛けられたかと思うといきなり死んだんですが、それについては何か判りますか?」


GM:「恐らくは、ソラリス・シンドロームでしょう」……ぶっちゃけてゲーム的に言うと、ソラリスのエフェクトには、幻覚を見せることで装甲値どころか受けまで無効にして相手にダメージを与える……『絶対の恐怖』というえげつない攻撃エフェクトがあるんですよ。そんなのをHP持ってない一般人が喰らったら、最低ダメージでも死んでしまいます(笑)。


 ま、それはいいとして、黒崎はUGNの二人に言いますよ。「恐らく、本部からは最も疑わしい晃太をマークするように指令が出ているでしょう。このような証拠がある以上、当然といえば当然のことです。その場合、どうなることか……ふふふ(ぼそり)


真琴:「晃太は悪くないやーっ!!」と叫んで病室を飛び出します。


早苗:「ああっ!真琴くーん?!」


粟飯原:で、晃太と全く違うエフェクトを使って、ジャック・ザ・リッパーの動きを再現したというのは、ブラム=ストーカーのエフェクトで可能なんでしょうか?


GM:可能です。従者というヤツは、基本的に本体と同じエフェクトを使える、ということになりますからね。


粟飯原:ということは、あの小野寺薫にしても本物とは限らないわけだ。


放浪中の真琴:はっはっはっ、この世界は全て幻かもしれないんだよ。今こうして喋っている僕ももしかしたら幻かもしれないんだから。


粟飯原:おーい、羽鳥君が世を儚みだしたぞ。携帯だけはちゃんと持っとけよー!


放浪中の真琴:ああ、それは当然ONにしてます(笑)。


GM:んじゃ、そこにゆう菜さんからのメールが(笑)。


暴走気味の真琴:それは正気に戻るっ(一同爆笑)!


GM:早っ(笑)!


放浪中の真琴:いや、正気に戻る、というか……そのメールを見て「ゆう菜さん……僕はいったいどうすればっ!」とか呟いて街を彷徨います。


粟飯原:で、そこにチンピラが「おい兄ちゃん!人にぶつかっといて何の挨拶もなしかぁ?!」(一同笑)


やざくれ放浪中の真琴:ですが、瞳が獣のように縦になってるのを見て、因縁吹っかけていたチンピラは恐怖におののくわけですよ。「ひっ!殺されるぅ!」(一同笑)


粟飯原:「目が座ってる……いや、立ってるんですけどぉ?!」(一同笑)


GM:それはともかく、今病院にいるのは……牧場さんと粟飯原さんと……。


早苗:いるのかいないのか微妙なところです(笑)。


粟飯原:じゃあ、真琴を探してると道に迷って帰ってきた、とか。


真琴:そう言うのが晃太達を発見してるんですよ(笑)。


早苗:「財布を忘れましたー」というわけで、戻ってきます。


 ―― そこで名前ネタをやるかっ(笑)!?


粟飯原:えっと……じゃあ、陽賀にでも会いに行きましょうかねぇ(笑)。


GM:一応生きてはいますが、今のところはまだ面会謝絶です(笑)。まぁ、ホントのことを言うとまだ黒崎も面会謝絶ではあるんですが、一応伝えとかないといけない事項があるから、ということで無理して起きている、という状況です。


粟飯原:「仕方ないなぁ……じゃあ、意識取り戻したらサザンカでも持っていってやるか―― あと、目の前で酒呑んでやる(笑)」


早苗:(元陽賀)「勘弁してくださいよ、先輩」


粟飯原:「お前もよくなったら呑めばいいじゃねーか。いやぁ、旨い旨い……昼間っから飲む酒、サイコー(一同爆笑)!」





 ナチュラルに酔っ払ってるかのようなハイテンションで、暫く『粟飯原の抱えている連載』に絡む下ネタ話に花が咲く―― が、残念ながら当サイトは全年齢対象を建前にしているため、その辺のトークにつきましては泣く泣くカットさせていただきます。皆様、御了承くださいませませ(笑)。





GM:そろそろいいですか(にっこり)。


 ひとまず牧場さんとこの間協力してくれた粟飯原さんに対しての依頼、という形で黒崎は話を進めますよ。


「恐らくは『ジャック』は晃太を狙って何らかのリアクションをする一環として、晃太の姿を使っているのだろうことは推察出来ます。しかし、何故晃太なのか、というのかまでは判りません。判るのは、この計画が進むことで晃太は孤立し、ロイスを喪うことで、ゆくゆくはジャーム化するであろうことくらいです。


 そこであなた方に依頼します。『橋尾晃太を……救ってください』」


粟飯原:「そうですねぇ……同じオーヴァードですし……ま、最善は尽くしましょうか」


牧場:「晃太は……真琴の友人だ―― 真琴の悲しむ顔は、見たくない」


 ―― まぁ、普通に聴いていればいい台詞なんだろうけど……何故だろう……この人が言うとなぜか非常に怪しい響きを含んでしまう(笑)。


真琴:年下好みなんですね(笑)。


牧場:失敬な……別れた弟を重ねているんですよ(笑)。


 ―― その言葉を吐くには、まず説得力という言葉をどっかのジャンクパーツの山から捜してきてください(笑)


粟飯原:で、その『別れた弟』というのは―― 生き別れなんですか?それとも死に別れ?


牧場:いやぁ、全く考えてません(きっぱり)


真琴:大丈夫!そのうちジャームっぽくなって出てくるから(笑)。


 ―― さて、どうしようかな(笑)。


GM:というところで……粟飯原さん―― さっき、小野寺薫について調べたい、ということを黒崎にも言っていましたよね?


 というわけで、黒崎の計らいでUGN藍空支部のデータベースを使用していい、というコトになりましたんで……UGNのコネを持っていない二人も、このシナリオに限ってコネ:UGNを持つことが出来ますよ。


粟飯原:そうですなぁ……手持ちのコネとか使っても上っ面の情報しか引き出せないかもしれないし……使わせてもらいましょうか……達成値は9です。


牧場:じゃあ、俺も……10はクリティカルだから……もう一個振り足して―― 13!


粟飯原:なかなかパソコン強いですねぇ、旦那ぁ


牧場:まぁ、趣味ですから(笑)。


早苗:機械を使える人なんて、生意気ですよねっ(達成値3)!


GM:じゃあ、9以上を出した二人は……藍空支部のPCからプロテクトを突破してFHのデータベースに進入……こんな情報を得ることが出来ましたよ。





小野寺薫:コードネーム『ウィッチ・オブ・オズ』―― FHのカヴァー組織である教育機関『ターン・コート』をトップクラスの成績で卒業した、いわばFHチルドレンの中でもエリートの部類に入る存在。オルクス×ソラリス。





粟飯原:なるほど……芸能界にもこの手のが食い込んでる、ということは聞いたことはあったけど……つまり、FH最新売り出し中のアイドル・小野寺薫、ということなんですね(一同爆笑)?


早苗:芸能事務所のようだ(笑)。


GM:まぁそういう部署も確かにあるんですけどね(笑)。で、FHのデータに食い込んでいたら、もう一つ面白い情報にぶつかりましたよ。ジャック・ザ・リッパーについての事なんですけどね。


粟飯原:「イソノさーん♪」


早苗:「今アタシの名前何つったぁっ!!」(一同笑)


粟飯原:「おっと失敬、御園さん……ほら、こんなところにジャック・ザ・リッパーについての情報が(笑)」


早苗:じゃあ、見る見る(笑)。





『ジャック・ザ・リッパー』:百数十年前から存在していたという記録が残る、古代種に相当するEX(エクストラ)レネゲイド。所持者を融合することで支配することが出来る。ブラム=ストーカー×エグザイル。





粟飯原:この『百数十年前から』って言うのは、もしかしてロンドンの『切り裂きジャック』のことを言ってるんじゃないんですか?


真琴:そのものズバリやね。


 で、EXレネゲイド、というのは?


GM:人間以外の物品に感染したレネゲイドのことです。一般的にレネゲイド・ウイルスというのは人間に感染する、というイメージで捉えられていますが、ごく稀にそれ以外のものにも感染する、という例があるんですよ。で、この『ジャック』についてもそのようなものである、ということですね。


粟飯原:なるほど……そんな話は聞いたことがあったんですが(笑)。


真琴:なお、徳川将軍家に仇をなした妖刀村正も、実はEXレネゲイドウイルスであったというのは、今では一般的である―― って、今喋ってる俺は誰だッ(一同爆笑)?!


粟飯原:(ナレーション口調で)――UGNの研究員、ヒラカワミノル(63)であった。


 ―― だから誰だ、それは?!


早苗:髪が伸びる人形とかも(笑)?


粟飯原:えっと……つまりジャック・ザ・リッパーというのは、人間じゃなくて、物ということですか?


牧場:つまり―― 正体はその刀?


GM:刀かどうかは判りませんけどね?ま、だからこそ、前に早苗さんが見た『ジャック』は『歴戦の兵士』の姿をしていた、ということになるんです。


早苗:ということは……ジャック・ザ・リッパーというのは……


粟飯原:持ち主を渡り歩いていって、その力を振るう―― 。


早苗:正体を特定出来ない。


粟飯原:厄介な非人間オーヴァードである、ということなんですね?


GM:ビンゴ!それです。


粟飯原:なるほどなるほど……これを羽鳥君に教えてやったら安心するかもしれないなぁ。


早苗:「電話しましょうか〜?」


粟飯原:「そうだなぁ……今頃チンピラにガンつけて追い返しているかもしれないから、追いかけた方が早いかもしれないなぁ(笑)」


 ―― また、えらく限定的だなぁ(笑)……って、もしかして、シーン切り替えてなかった?!やべぇなぁ……失敗した。


牧場:そういえば、コロンビアの麻薬組織が壊滅した、というのがあったんでしたが?


GM:『ジャック』の持っている人格がそもそも好戦的なんですよ―― 『人一杯ぶった斬りてぇー!殺して血を吸いてぇー!』とか言う感じです。


牧場:つまり、こいつが何らかの組織を狙っている、ということは?


GM:それはないですね。ただ、人を斬れれば満足、てな感じです。あと、ウォーミングアップ(笑)。


粟飯原:「旦那ぁ、『ジョ○ョの奇妙な冒険』を見たことあるでしょう?あの中に出てきた……」


真琴:……床屋(笑)。


GM:そっちで来るかぁ(笑)。


粟飯原:(真琴の言葉をスルーして)エジプト九栄神の『アヌ○ス神』ってのがいたじゃないですか?多分、作者のアラーキ・イロイコ氏はこれを参考にしてるんじゃないんでしょうか……そういえば、あの人も顔変わんないっスよねぇ(一同爆笑)」


早苗:実は吸血鬼とか……(笑)。


真琴:……古代種(爆笑)


粟飯原:案外古代種かもしれませんね、あの人も(笑)。


 しかし、これで核に触れることが出来たんじゃないんですか?


早苗:電話します〜。


粟飯原:「しかし……こうなったら俺達は、一刻も早く橋尾君を保護した方がいいんじゃないんでしょうかねぇ?『ジャック・ザ・リッパー』は無茶苦茶厄介だし、小野寺薫はクロだし―― 羽鳥君には、このまま動いてもらっていた方がいいんじゃないでしょうか?」


徘徊中の真琴:じゃあ、たった今携帯が繋がります。「もしもし御園さんですか?晃太を見かけました……薫さんと一緒です!今から接触してみたいと思いますっ(一同爆笑)!」


早苗:ちょっと待てー(爆笑)!!


真琴:ぴっ(携帯を切った音)!


早苗:「うわー、切られたー(爆笑)!!」


真琴:(なんか誇らしげに)はっはっはっ!よくあるパターンだけで暴走しちゃいました(笑)。


粟飯原:(慌てず騒がず)「何、切られた?早苗ちゃん……ちょっと携帯貸して―― 件名を『Fromゆう菜』……で、『この番号にTELして』……と―― 送信!」


視野狭窄中の真琴:(間髪いれず)「もしもしゆう菜さんッ(一同大爆笑)!?」


粟飯原:「羽鳥君?粟飯原だけど―― ああ、これ早苗ちゃんの携帯ね。厄介な事実が見つかったから、接触は止めとけ。今から俺たちもそっちに急行するから、距離とって見張っとくように。じゃっ(一同爆笑)!!」


真琴:うわぁ!こんなバカなやり方でベタベタな展開を破られるとはぁ(爆笑)!


 ―― そんなバカなやり方に喜んで乗る真琴も真琴である。


粟飯原:「あと……喜べ。橋尾くんはシロだ!」


真琴:「本当ですかっ!!僕は信じてたんですよッ!!じゃあ、そのことを晃太に伝えますッ(爆笑)!!」


GMを含む一同:「アホかーッ(大爆笑)!!」





GM:じゃ、一旦シーンを切ってマスターシーンに入ります。





MASTER SCENE


「―― はい、これ」


 人気のない夜の公園で手渡された―― 数秒前まで目の前の少女の首に掛けられていた、剣の形をしたペンダントに、晃太は嬉しさと気恥ずかしさ―― そして、もどかしさを覚える。


 遠距離恋愛中の真琴にある程度のレクチャーをされていたとはいえ、やはり真琴も世間とは多少のズレを持っているチルドレンである。このようなことまでは頭が回っていなかったようだ。


 無論、物質を構成し直し、全く別のものを作り出すことが出来るモルフェウス・シンドロームを保有する自分にならば、アクセサリー程度作り出すことは容易い。


 しかし、自分がそのような存在である、ということを知られるわけにもいかないのだ。


 任務の時のものとは違う焦燥感が、晃太の背中を走り抜けていた。


「ゴメン……俺―― 今、金なくってさ……このお返しは必ずするから―― 」


 晃太の言葉を遮る微笑を浮かべ、薫は幼さを感じさせる表情を見せて、言う。「いいのよ……気にしなくて―― でも、お返しなら……私、ちょっと欲しいものがあるんだよなぁ……晃太くんのオトモダチの……羽鳥真琴くんが持ってる―― 賢者の石、なんだけどね?」


 呆けた意識が―― 疑念に塗り潰された。


 何故、真琴のことを―― 真琴に癒着したという『賢者の石』のことを知っている?


 目の前の少女が見せる、一切の邪気を感じさせない透明な笑み。だが、その透明感が逆に晃太の警戒心を煽る。


 警戒感に意識を委ね、機械の如き精密さを持つその意識に従って身構える晃太―― だが、言葉によって注意を薫に向けたことが仇になった。


 意識を薫に向けた瞬間、脇から抉り込むかのように別の意識が晃太を蝕む。


「ご苦労様、『ジャック』」


 だが、満足そうな、そして、恋人にかけるにはあまりに冷たいその声は―― 晃太に届くことはなかった。





牧場:こうなったら殺るしかない……晃太ごと――(じゅるり) 。


一同:おいおいおいおい(一同総ツッコミ)!


真琴:少しは努力してください(笑)!


GM:しかも『じゅるり』ってなんですか、『じゅるり』って?!


真琴:で、出て行ってもいいんですか?


GM:いいですよ。


 では、このままクライマックスになだれ込みまーす!





CLIMAX PHASE 交錯


 夜闇に染まる公園で、セミロングの髪を濃いブラウンに染めた美少女は、許しを乞うように跪く少年を冷たく見下ろしていた。


「―― あれ……まだ完全に支配出来ない?」


 その嘲笑交じりの表情に微かに覗いていた余裕の色が、微量な疑問に染められる。


 本来なら、融合した対象を精神から絡めとり、支配するという“ジャックの剃刀”―― かつて、ロンドンの夜を恐怖によって支配した、血に飢えた殺人鬼の正体であるちっぽけだが鋭い刃の支配力は瞬間に作用し、そして、即座に効用を表すはずのものだった。


 だが、その即効性はなぜか薄れていることは、明滅を繰り返すかのように焦点を合わせて自分を見上げるUGNのチルドレンの瞳からも明らかだ。


「き……貴様―― 」


 普段の軽さからトーンを大きく変えた声―― その声が疑問に囚われていた少女に明確な解答をもたらす。


「そっか……戦闘用人格、か」


 主人格の他、戦闘に特化した別人格を有する特異な能力者―― 恐らくはその二つ目の人格があるが故に、UGNチルドレン・橋尾晃太の精神を完全に塗り潰し、支配することに時間を要しているのだろう。


 だが、その時間も誤差修正の範囲内―― 大きな差はない。


 そう ―― 結末さえ図面通りならば、それでいい。


 その思いにほくそ笑む少女―― 小野寺薫の耳朶を……怒りを孕んだ叫びが打った。





真琴:「晃太に何をするんだっ!」


粟飯原:「何をするだぁー!許さんッ!!」


 ―― ここまで読んで大体お判りになったかもしれませんが、当サークルの主成分はJO○Oネタです(笑)。


真琴:というわけで、叫びながら薫さんに遮二無二突っ込みますが、周囲に張り巡らされた結界によって弾き飛ばされます。「薫さん……あなた一体何者なんだ?」


 ―― 演出でそこまでやるとは……ご苦労様です(笑)。


GM:「あら……来てたの?なら自己紹介するわ」


粟飯原:「FHの売り出しアイドル、小野寺薫ッ!!」


GM:(無視して)「晃太くんの彼女で、FHのチルドレン―― 小野寺薫。今回はちょっと彼氏のお友達に……正確に言えば、彼氏のお友達の右手に埋まってるものにご挨拶したくてね」


粟飯原:(寂しそうに)えっと……もういい(笑)?


GM:どうぞー(笑)。


「まぁ、御挨拶は済んだことだし……ちょっと、殺し合いでもしてもらえないかしら♪」そう言って薫が手を叩くと(パンパン←手を叩く音)、苦しそうにうずくまっていた晃太が立ち上がります。


粟飯原:『バトル○ワイヤル』の見過ぎだろっ(笑)!


真琴:はーい、どんどんこーい、どんどん死んでやるからねー(笑)


 ―― まぁ、『喰らいながらカウンター』が真琴の基本戦法だけどなぁ(笑)。


GM:じゃ、皆さん登場、というところで……侵食率を上げてください。


粟飯原:低いなぁ……61%!


牧場:それよりも低いんですけど……58%!


GM:まぁ、今は低くても衝動判定がありますし。


早苗:はっはっはっ!73%


真琴:じゃあ、一言だけ言わせてください。「……こんなもののために、晃太を操るなんてっ!お前は絶対に許さないッ!!」……と、無駄な説得を試みつつ―― 60%(笑)。


粟飯原:って、俺が何時の間にか侵蝕二番手?!


―― シーンの切り替えを忘れてた、というこっちのミスもあったけど……やっぱり低いなぁ―― でも、前使わなかったルールを一つ使うことが出来るいい機会かもな。


GM:というわけで、度々申し訳ありませんが、今度は衝動判定―― 強力なレネゲイドに直面したことで刺激され、活性化した自分の中にあるレネゲイドウイルスが引き起こす衝動に呑み込まれるかどうか、という奴を、<RC>で目標値7でお願いします。


一同:成功!


真琴:まだ低いなぁ……そういえば、自分の意思で侵食率を上げることは出来ましたよね?


GM:はい……ジェネシフト、という奴ですね。レネゲイド・ウイルスの侵食に身を任せることで、自分の能力値の中で一番大きな数までのダイスの出目を振り足せますよ。


真琴:じゃあ……薫さん……晃太は僕の大切な親友なんだ。その晃太があなたと出会って幸せになるのが僕にはとても嬉しかった―― だから、晃太の思いを踏み躙るあなたを、僕は許さないッ!!……68%!


牧場:じゃあ俺も低いんでジェネシフトして……82%!


 ―― あまりにも全員の侵蝕率が低すぎるため、プレイ終了後にキャラクターシートをチェックしてみたところ、牧場さん以外の全員が衝動判定の分の2Dを合計しておりませんでした―― というか……プレイ中に気付けよ、俺 |||_| ̄|○ゴメンナサイ、ミナサン|||


GM:では、戦闘に入る前に……ゆらり、と立ち上がった晃太ですが、その目には僅かに正気の色も覗いています。ですが、その光はあまりに頼りなく、すぐにも消えそうな感じではあります―― 具体的にいえば、戦闘ラウンドで4ラウンドもあれば完全に支配されちゃうかな、というところですよ。


牧場:じゃあ、『ハンドレットガンズ』を使って愛用のライターを銃に変えます……『スナック薔薇』とか書いてある奴で(笑)。


GM:ちょっと待ったッ!!愛用のライターはジッポじゃなかったんですか?!父親の形見、とかいう奴の?!


牧場:ああ、あれ……売った(笑)


GM:売ったんかー……しかも薔薇って何ですかっ(爆笑)!?疑惑浮上中の牧場さんが言うと洒落になりませんよっ(大爆笑)!!


牧場:ちょっと期待していったら……普通のスナックだったんだよぉ(一同大爆笑)!!


 ―― 前回の反省から、戦闘に入る前のエフェクト使用は制限しようかな、と思っていたのに……結局、笑いで押し切られちゃったい(笑)。


GM:(ぜえぜえと息を吐いて)……では、薫の後ろの空間が縦に切り裂かれます。で、「後は任すわ、『ジャック』」そう言いながら、オルクスのエフェクト……『猫の道』で退散しますよ。


粟飯原:じゃあ、去り際に言ってやるます。「お前のファンサイトに、荒らしの書き込みしてやるからなー(一同爆笑)!!」


GM:「ああ、大丈夫大丈夫♪ウチの事務所のサイト、セキュリティはしっかりしてるから……そんなのすぐ削除できるわよ」まぁ、知覚の対抗判定で『逃がさん!』ということは出来ますが……目標値は31か(笑)。


早苗:そんなの出来ませーん!


粟飯原:まぁ、ぶっちゃけた話……逃がした方が楽なんですけどね(笑)。


真琴:「待て!」と言いながら追いかけようとしますが、そこには虚ろな表情の晃太が立っています。


GM:では、その晃太なんですが―― 「真琴……ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!頭がぁぁぁぁっ!」と苦しみながら……『インフィニティ・ウエポン』!!ジャックを真っ赤なロングソードに変異させます。


 あ、一応言っておきますが……一応ジャックも武器であると同時にキャラクターとしても存在していますんで―― 。


真琴:武器を狙え、ということですね?そりゃ当然ですよ……狙うに決まってるじゃないですか(にやり)?


牧場:そうなると……まずいなぁ―― 『ギガンティック・モード』で武器を巨大化して一気に殲滅することが出来ないじゃないか……殲滅しちゃ駄目(にっこり)?


真琴:駄目です(微笑返し)


GM:でも、実を言うと晃太を狙うのも裏技としてはありですけどね(笑)。


粟飯原:と、いうと?


GM:晃太は戦法としては回避よりも受け&防御を重視しているキャラなんですが、受ける武器そのものが『ジャック』の本体だもんで……受けた場合のダメージはジャックにもいってしまうんですよ(笑)。


 ―― いきなり泣き所を教えるのは、正直言って甘いかな……でも、ラウンド制限ありだから……このくらいの情報開示は構わない、としとくか。


粟飯原:なるほど……つまり、でかい方狙ってりゃ勝手に本体にダメージが行く、ということなんですね?


GM:そうそう(笑)。というわけで、バトルスタート!


 まずセットアップ・フェイズでの『ジャック』の行動ですが……『ヴァイタルアップ』を使います!


粟飯原:『ヴァイタルアップ』……?


GM:侵食率−100の生命力を増強させるエフェクトです。ジャックの侵食率が180%だから……HPは80上がって104!その禍々しい血の色の刀身が、さらに鮮やかな色濃いものに変質します。


真琴:180……戻る気ない奴は楽だなぁ(笑)。


GM:そして、イニシアティブ14で再びジャック……メジャーアクションで『融合』を使用、晃太を乗っ取りにかかります!!


 で、イニシアティブ13は―― 牧場さんと晃太が同時ですね。


牧場:『ギガンティック・モード』と『オウガバトル』を組み合わせて範囲攻撃にします―― 武器をマシンガンにして……ダメージは22!


GM:……晃太に行く分の受けには成功したけど……防御力引いてもいきなりダメージ20かぁ(笑)。


 では、同時で晃太ですが……攻撃目標は―― 。


真琴:NONONONO(笑)。ワタシが晃太の前に立ち塞がりマース(なぜかエセ外人口調)。


牧場:その前に一言……「やはりな……晃太を狙えば、本体で受けざるを得ない、ということか」


粟飯原:「早苗ちゃん、晃太を狙え!羽鳥くん、厭かも知れないけど晃太を狙うんだ!!」


真琴:「いやだー(笑)!!」


GM:では、晃太の行動は……「真琴ぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」と叫びながら―― 。


真琴:ちょっと待て、お前判ってるだろ(笑)?!


粟飯原:「真琴、お前は俺の…」とか言いながら死ぬ、ジェ○ドのような散り際なんですね(笑)。


真琴:晃太は死んでません……ていうか殺すなっ!!戻れなくなっちゃう(笑)。


牧場:『ギガンティック・モード』に『クリスタライズ』を重ねることは出来ましたっけ(意地悪な笑み)


真琴:『止めてー!!晃太が結晶になっちゃう〜(一同大爆笑)!!』


粟飯原:(ナレーション口調で)その時、真琴は自分の後ろに多大なる不安を感じていた。


牧場:ライバルは減らしておいた方がいいからな(にやり)。


真琴:ライバル(一同爆笑)?!


GM:大丈夫!いざという時には真琴のロイスをタイタスに変えて復活するから(笑)。


 ―― でも、そうなったら『現時点でロイスを4つしか持っておらず、侵食率は120%』ということで設定している晃太はジャーム化しちゃう可能性ががっつり上がります(笑)。


粟飯原:じゃあ、戦闘が終わって牧場さんが言うわけですね……「やれやれ、ライバルを消したと思ったら、真琴まで消してしまったか(一同爆笑)」


GM:…………(寂しくダイスを振っている)。


早苗:おお、なんかこの時のために揃えたダイスが唸ってる(笑)。


GM:―― クリティカルは3回で……46で避けて……って、そもそも避けねーんでしたよね(笑)。ダメージは44!


真琴:リザレクト!10点回復して……「晃太……きっと助けてやるからな!」


GM:その言葉を聞いた晃太ですが……その手に持つ剣が小刻みに震え、歯を食いしばって何かに耐えている、というか、何らかの意思に立ち向かっている、という感じですね―― まー、ぶっちゃけゲーム的にいえば、周囲のレネゲイドを取り込んで使用することで、自分自身の侵食率上昇を食い止める、『ジャック』の持っている古代種専用エフェクト――『フラットシフト』というのを使うことで、『ジャック』への抵抗の意思を示しているんですな。


 ただし、それも長くは持ちませんが、ね。


真琴:『復讐の刃』を使います!「元に戻ってくれ、晃太!!」……36で命中して―― 。


GM:ダメージは16点通りました!


 ―― でも、リプレイ書く段階になってよく考えてみたら……『復讐の刃』は“攻撃してきた晃太”に行くんだよなぁ(笑)。


早苗:じゃあ、こっちも晃太くんを狙ってー……『貪欲なる拳』『疾風剣』『浸透撃』『自在槍』!防御ダイスに2個ペナルティ〜♪あまりに速い攻撃で、防御がおぼつかなくなるのよ〜♪命中は21ですー!


GM:受けに失敗……晃太にダメージ行きます(笑)。


早苗:あれ(笑)?!……ダメージは――3D+3で……7・7・9……あれ(笑)?!


真琴:高けぇな、おい(笑)!


GM:ダメージは25の……装甲値無効で……うわっ!でかっ?!


 ―― 真琴の『復讐の刃』を厳密に適用してたら、晃太死にかけてました(←HP31)


粟飯原:早苗ちゃんに任せちゃ危ないかもしれないから……旦那に『アクセル』!


 ……成功したんで、牧場さんはこれでセカンドアクションを行うことが出来ますよ。


真琴:では……マイナーアクションで『ハンティングスタイル』を使って……マイナーを同時にあと二つ使用出来るようにして……『完全獣化』と『一角鬼』!完全に獣の姿になって、問答無用の一撃を食らわしてやりましょう。


 ……そういえば、ここは野外でしたよね?


GM:はい。


真琴:じゃあ、3メートルくらいに巨大化しときましょう(笑)。メジャーアクションは『鬼の一撃』と『狼牙』!命中は……低い、26―― いや、受けさせるから低くていいんだ(笑)。


GM:じゃ、ダメージは24で合計は60……残りHPは44か。


粟飯原:おお、なんか楽勝ペース(笑)。


GM:では、セカンドアクションは……


牧場:『プレディクション』と『オウガバトル』を使ってちょうど100%!そこで『クリスタライズ』を使います!『アクセル』の影響で感覚が鋭敏になっている、という感じで……なんだ、この感覚は……全ての動きが――見えるッ!!」命中は……(クリティカル×5)60です。


 ―― GMすがたけの解釈としては、エフェクトを使用して侵食率を積み上げていく最中にその高さに達した場合、その時点で使用可能、ということで解釈をしております。


GM:防御行動は取れないんで……ダメージは55―― 一気?!


 ということで、その銃弾によってロングソードは『ぱきぃん!』と結晶化して砕け散りますが……ここで『不死不滅』使用(文字通り、強い不死性を有することが出来るブラム=ストーカーのエフェクト)!!砕けたかと思われたロングソードは再びその姿を取り戻します!


粟飯原:そんなモンがあるんなら早く言えと!


真琴:いや、言ったらいかんだろ(笑)。


早苗:(エフェクトの説明を読みながら)HP1まで回復〜♪


粟飯原:HP……1ぃ?!それは一体どうしろと(笑)。


真琴:じゃあ、こっちのセカンドアクションは……マイナーで『破壊の爪』を使って攻撃力をさらに上昇!そして、メジャーで『鬼の一撃』を使って……命中は30!


GM:ダメージは……29!またジャックは折れますが……もう一回『不死不滅』!再び復活しますっ!!


真琴:一体何回復活するんだ、こいつはッ?!


GM:『不死不滅』はあと一回使えるっ……けど、もうぼろぼろぉ(一同笑)!!


早苗:ボロボロなんて言ってますけど……既にボロボロの域は通り越しているような気がします(笑)。


真琴:でもこれ……まだ1ターン目なんだよね(一同爆笑)。


 ―― ( -_-)_┳※(´Д`)・∵.ターン!


GM:ではクリンナップセグメント……うう、やっと回復出来る……『不死者の恩寵』(血液をコントロールすることによって、HPを達成値の半分回復するブラム=ストーカーのエフェクト)―― って、ダイス目低ッ!! クリティカルしなかったんで、5しか回復しねーよほぉう! |||_| ̄|○|||


真琴:まぁまぁ……戦闘長引いてもいいことはないですよ(笑)。


粟飯原:いや……このままじゃ侵食率64%……すいません、皆さん!あと『アクセル』3回だけ使わせてください(笑)!!これじゃ経験点が貰えません。


 ―― そうなったら、晃太が乗っ取られちゃいますがな(ラウンド制限ありの戦闘中)。


GM:では第2ラウンド!ジャックのメジャーアクションはやはり『融合』!晃太は13だから、牧場さんと同時ですね。


牧場:さっきのように晃太に当たったら夢見が悪いから、ジャックを狙って……命中は46!


GM:あ―― 『赤河の支配者』(達成値の半分だけダメージを軽減する、ブラム=ストーカーのエフェクト)があったんだ。というわけで、使いますが……11しか軽減出来ない。


牧場:ダメージは33ですから――。


GM:また死んだっ!!そして最後の『不死不滅』ッ(ヤケ)!!


真琴:で、その復活したので真琴を殴りに来るんですね(にっこり)。


GM:いやじゃー!でも行かんといかんのかー(一同爆笑)!


 命中は62だから……ダメージは71。


早苗:そのダメージは……とりあえず死んどけ、と(笑)


真琴:死にますよー……で、リザレクト。HPが8回復して……――オーバー100(笑)♪


 じゃ、『復讐の刃』使って……と。命中は35で……ダメージは39。


 ――うーん……戦闘に緊迫感がまるでない―― 悟ったぞ。これからは単純な打撃で押すタイプは出さない方がいい、ということだな。


GM:と、本来ならそれで終わるダメージですが……そこで『透過』!!真琴の一撃は刀身をすり抜けたかと思うと、そこに込められたエネルギーを吸収され、生命力へと転化されます―― というわけで、30点回復ッ♪


真琴:あははっ!みんな、ごめーん……パワー逆用させちゃったぁ(笑)。


早苗:「10年前の借りを、今返すッ!!」さっきと同じハイスピードな一撃で……命中は40!


GM:回避は……失敗!ダメージは……24ですか。それは12点軽減して……残りは24点か―― うわ、こりゃ真琴が美味しいトコ持っていきそうな感じやな(笑)。


粟飯原:じゃあ、旦那に『アクセル』ブースト……あ、1足りねぇ。やっぱり、皆との因縁の差かなぁ(笑)。


早苗:三人とも何らかの因縁を持ってますからねぇ(笑)。


真琴:「これで……終わりにするっ!!」さっきと同じ『鬼の一撃』と『狼牙』に加え、今回は『奥の手』を加えて避けにくくしますッ!―― ジャックを直接狙って……命中は40!


GM:回避は失敗!ダメージは?!


真琴:ダメージは45!!


GM:……20点軽減したけど……2足りないっ!


 ぱ……きぃぃぃぃぃぃぃんっ!という澄んだ音を立てて、『ジャック・ザ・リッパー』の本体である、ちっぽけな剃刀の刃は砕け散りました。


真琴:「晃太っ!大丈夫か晃太!!」といいながら駆け寄りましょう……侵食率計算しながら(笑)。


 ちなみに、人間の姿に戻ってますよ(笑)。


粟飯原:そりゃあまぁ、あの格好じゃ……ねぇ(笑)。じゃ、剣の方は早苗ちゃんに任すとしてだ……俺はUGNに報告でもしとくかぁ。


早苗:で、触った瞬間にな、なにぃ……二刀流――っ!?とかはなりませんよね(笑)。


 ―― やーっぱり最後の最後までそっちのネタに行くかい(←そんなネタに行く余地を与えたGMの詰めの甘さです)。


GM:それはいいとして……「う……ここは?!あれ?薫ちゃんは?!」と、目を覚ました晃太が言いますよ。


真琴:「えっと、ほら―― 薫さんは……そうだ―― 忙しいんだよ!イベントとかコンサートとか。だから、先に帰るって言ってたよ」


牧場:こんな時には半端な慰めは逆効果なんじゃ……(笑)。


真琴:いや、僕は半端な慰めをするキャラクターなんですよ(一同爆笑)。


GM:では、真琴のその慰めを聞いて晃太は一言……「なぁんだ……フられちまったかぁ。ははっ……はぁ(肩を落としつつ)」


真琴:「そんなことはないよ!またきっと会えるって!」


牧場:「落ち込むな、少年!君はつまらない悪女に騙されていただけなんだ(一同爆笑)!」


 ―― この人がそんな一言を言うと……なんかありそうで怖い(笑)。


GM:牧場さんがそう言うと、晃太はびくっとして言いますよ。た……確かアンタ言ってたよなぁ……俺に『真琴に入ってくる通信関係を全部チェックしておいてくれ』って―― 真琴の次は俺かっ……俺を狙ってんのか(一同爆笑)?!


真琴:なに、なに……何っ(動転)?!


早苗:つまり、牧場さんが晃太くんにスパイになってくれ、と依頼していた、ということですね(笑)。


GM:ええ……だから真琴の個人情報を晃太が結構把握していたんですよ(笑)。


真琴:『LOVE真琴ノート』とか作られていそうな――


GM:それに……ほら、オープニングでもあったじゃないですか……なぜかゆう菜さんとのメールのやり取りや何かを晃太が知っている、というのが―― あれもいうなれば牧場さんの差し金です(笑)。


真琴:「だから僕が知らない間にブログなんか出来てたんだ |||_| ̄|○|||」


早苗:「でも、それを本人の前でペラペラ喋っちゃうとは……素敵な友情ね―― 真琴くん(笑)」


牧場:それにしても、彼も能力者だったら……いっそのこと全部話してやってもいいんやないかなぁ。またあの女が出てきて利用されたら厄介だし。


粟飯原:「羽鳥くん。君が言いにくいんだったら俺が代わりに言ってやろうかな―― 橋尾くん、君はFHのエージェントである小野寺薫に利用されていただけなんだ。で……イソノさーん


早苗:……ぎらり(笑)。


粟飯原:(華麗にスルーしつつ)「この御園さんが持ってる剣の破片……これによって操られていたわけよ。で、君は羽鳥くんに剣を向けて――見ろ、羽鳥くんのこの傷を……もう半分以上塞がってるけど(一同大爆笑)―― 君がやったんだ」


牧場:『そういえば僕にも傷が―― 』とか言ったら後味悪いよなぁ(笑)。


早苗:「私の一撃も避けられない様じゃ、この先辛いわよ」とでも言ってやりましょう。


真琴:「大丈夫だよ、晃太……全て終わったんだ」


粟飯原:「先輩もこういっている――ま、未熟な君を利用しただけのことだな。


 (急激にトーンを軽くして)まぁ……アレだ、今度―― 合コン、来る(一同大爆笑)?


GM:「お願いしまっす(爆笑)!!」


真琴:「ぼ……僕はいいから」


GM:そう言って逃げようとする真琴の肩をがしっと掴んで「なぁ、真琴……行くよな……俺達、親友だろ(一同爆笑)?」


真琴:「ぼ、僕にはゆう菜さんが……って、今から(爆笑)?!


粟飯原:「今からはJKリストがなぁ……ま、今は藍空支部に戻ろう」……それにしても、やっと『JK』って言えたよ。


GM:「で、物は相談なんスけど……女子高生もいいけど―― 出来たら……」


粟飯原:「何っ……女子大生の方がいい?!それは年が近い分俺も都合がいい(一同大爆笑)」


GM:「よろしくお願いしまっす(爆笑)」


 まぁ、そんな笑い声が響きながら画面はブラックアウトして行き……最後のマスターシーンに入ります。





MASTER SCENE


 闇を照らすモニターの光―― その仄暗い光に照らされて、彼女―― 小野寺薫は主であるFH日本支部支部長・都築京香の言葉を待つ。


 『羽鳥真琴―― 正確には、彼に融合した賢者の石を確保する』という任務に失敗し、『ジャック・ザ・リッパー』をも失ったのだ。


 しかも、ただ失敗しただけならばまだしも、『ジャック』のリハビリを兼ねて同じFHのエージェントである『マスターレイス』の配下を生贄にしたにも関わらず、だ。





 ―― 処断は免れないだろう。


 死自体を恐れてはいない。


 だが、失敗したという屈辱を抱いたまま処断されるのは、その矜持が―― いや、もっと別の何かが許さない。


 己自身を引き裂きそうなその感情が鼓動を激しくした。


 初めて感じるであろうその感情に戸惑いつつ、薫は唇を噛み締める―― だが、その耳に響いた主の一言は、予測されたものとは違っていた。


「ご苦労様です。『ウィッチ・オブ・オズ』―― あなたの働きで、プラン通り賢者の石に多大なストレスを与えることが出来ました。じきに彼の賢者の石は次の段階に進むでしょう。


 それに伴って全ては動き出します。次のプランが出来るまで、あなたは待機しておくように」


 柔らかな……しかし、有無を言わせぬ声が、初めて感じたその感情を塗り潰す。


 全ては―― この失敗すらもプラン通り、というのだろうか。


 底知れぬ深淵を覗いたような恐怖が自分を支配していることを感じながら、薫は跪いた姿勢のまま声を絞り出した。





「イエス―― マイマスター」





ENDING PHASE 





牧場:じゃあ、エンディングいいでしょうか?


GM:はい。どうしますか?


 ―― プレイヤーが自分からエンディングを演出しようとするのははじめてだ……うん、いい傾向だ。


牧場:深夜の病院に黒崎を訪ねて――いや、夜這いじゃないですよ(笑)?


 ―― いい傾向がいきなり台無しだなぁ(笑)。


牧場:黒崎が病室を抜け出して煙草を吸っていると思いねぇ。で、そこに俺が缶ビールを―― ハイネケンを二本持ってくる、と。


 そして言う訳ですよ。「今度も生き残っちまったぜ。だが、生き残ったところでお前がいないと、このつまらない世の中がまたつまらなくなっちまうところだった」


GM:「それはどうも」


牧場:「しかし、真琴の奴……どこまで強くなるのか―― 正直俺は奴が恐ろしいと感じている」


GM:(突然黒崎)「ええ。私にも彼がどこまで行くのか、見当がつきません。牧場さん―― 万一の場合は彼のことを頼みますよ」


牧場:そういうことを語り合いながら、渋く終わります(一同拍手)。


粟飯原:ほっほーぅ……エンディングって、自分で演出してもいいんですか?


牧場:じゃあ、JKを追いかけて(笑)?


粟飯原:多分合コンからです(一同大爆笑)。


 いや、その前に小野寺の事務所の情報を洗いますけど。


GM:流石に表の情報じゃ掴めませんね。UGNの情報を駆使しない限りは難しいと思いますよ。


早苗:2chのアイドル板に『小野寺薫って実はバケモノらしいぜ』って書き込みをしたら―― 『ふぅん、それで』『こいつムカつく』『氏ね』とかの書き込みがぶわーっと(笑)。


粟飯原:『自作自演乙』『個人情報特定』とか(笑)。


 で、キャッシュ上とかで見てると小野寺薫の情報が微妙に改竄されているのを発見するわけですね。で、芸能界やマスコミに深く食い込んでいるFHに憤りを覚えつつ時計を見て……そろそろ陽賀の奴も元気になっている頃かな……サザンカ持っていってやるか


GM:いっそのこと、陽賀さんも合コンに誘ってやれば……って、そういえば陽賀さんも彼女いるんだよな(笑)。


真琴:じゃあ、粟飯原さんが陽賀さんを合コンに連れて行って……晃太が真琴を―― 真琴を(一同爆笑)?!


 ――自分から言ってちゃ世話ありません(笑)。


GM:「お前も漢なら、おねーさんの魅力って奴を知っとけって」とか言いながら、おねーさんのよさを切々と語り、合コン会場へと向かいます。


真琴:「うわーん、僕にはゆう菜さんがいるのに……ゆう菜さーん(泣)」


粟飯原:で、合コン会場ではなぜか陽賀と真琴がモテていて、粟飯原と晃太は釈然としない思いに駆られるのであった。「えっと……おっかしいなぁ―― 陽賀の奴は男の数が足りないってことで呼んだだけなのになぁ」


早苗:(いきなり女子大生)「ええー、陽賀さんって製薬会社の研究員なんてやってるのぉ?!」「きゃー、真琴君、可愛いー♪」


粟飯原:「……橋尾君―― ゲーセンでも行く(一同爆笑)?!」


GM:「……そっスね |||_| ̄|○|||」


粟飯原:と、晃太との奇妙な連帯感に包まれつつ、終了します(笑)。


早苗:次は私です〜。10年前に死んだ仲間の墓参りに……で、「終わったわ。みんな」と呟いて、新しい人生の第一歩として若い奴らをしごこうとしますが―― 「あれ?真琴くんと晃太くんがいないわね」「あー、あの二人は合コンらしいっスよ!」。


 その言葉を聞いて、「ふふ、ふふふふふ……明日覚えておきなさい


真琴:ぷるぷるぷるぷるっ!ぎり、ぎりりりっ!と、南○隊長のようなエンディングになるわけですね(笑)。


早苗:そう言われると、なんだか自分のイメージがどんどん○雲さんであるかのように思えて来るから不思議です(笑)。


GM:じゃあ、真琴のエンディングは……合コンでモテモテ王国を樹立して、複雑な表情を浮かべている真琴の携帯にメールが入るところからスタートします。


真琴:びくぅ(笑)恐る恐るメールを見てみます。


早苗:当然ゆう菜さんからですね(笑)?


GM:もちろん(笑)。犯人は晃太です―― 「彼女持ちの癖しやがって……電波の受送信できるブラックドッグ舐めんじゃねぇっ!」という怨念とともに、ゆう菜に「真琴が寂しがってるぜ」というメールを送ってやりました(笑)。


真琴:その名前を見て慌てて店を飛び出します。で、追いすがる女子大生を押しのけながら「ぼ、僕門限があるからー(脱兎)!」。


粟飯原:「は、羽鳥くーん?!」とか言いながら、追いかけていた女子大生ですが、「じゃあ私たちも帰ろ〜う。粟飯原さん、お誘いありがとうございま〜す」「ご馳走様でした〜!」とそそくさと帰りだします。「え?あ、帰るの?―― 橋尾君、もう一回ゲーセン行こうか(一同爆笑)?」


GM:「そ、そっスね(号泣)」


真琴:あんたら人のエンディングに割り込んでくるなーっ(大爆笑)!!


GM:折角一人脱落させて分散させようとしたのに、おねーさんにことごとく逃げられてしまった晃太は、真琴と逆方向に走りながら叫びますよ。「お前なんか友達じゃねー……どちくしょーっ(爆笑)!!」


真琴:では、ゆう菜さんに返信メールを打ち返してですね……『こんな日がいつまでも続けばいいな』と思いながら、ふと右手に埋まった賢者の石を見て思うんですよ―― 『いつまで、続くのかな?』と。


GM:見事なエンディングありがとうございます!


 では、『藍色の空の下』 第3話「銀の右腕」はこれにて終了!皆様、お疲れ様でした!!


一同:お疲れ様でした〜っ!!!!





AFTER PLAY


 それでは自律判定ですが……皆さんの現時点での侵食率は?


真琴:115%です。


牧場:108%!


早苗:100%です〜。


粟飯原:はっはっは……67%!俺、別の意味でヤバいかも(笑)?


GM:あちゃあ(笑)。そこまで低いの、俺もはじめて見ました(笑)。


粟飯原:ロイス振るの、途中で止めちゃ……駄目(微笑)?


GM:駄目です(微笑返し)。ロイスの数だけダイスを振ってくださいねー♪


真琴:79%に下がりました。


牧場:86です。


早苗:みんないいなぁ……64%だから、経験点1点下がりました(DXというゲームの場合、自律判定の結果で侵食率が70〜99%になれば3点、40〜69%で2点、といった具合にもらえる経験点が変わってくる)。


粟飯原:まだいい方ですよ。俺なんて35%ですよ?


真琴:しかし、侵食率が0%以下になれば、普通の人間に戻れるのであったっ!


 ―― そんな事実はありません(笑)。


GM:ともあれ、皆さん日常に戻ることができましたよ〜♪





GMすがたけ反省会


 今回からレコーダーを使ってのリプレイ収録、というので気合を入れた分だけ空回り(笑)。しかし、プレイ時間3時間程度だというのに……なんなんだろう、このテンションの高さは(笑)。


 このテンションを引き出したのは間違いなく粟飯原だろう……でも、彼をストーリーの中心に据えるのはなかなかに難しい。


 マスタリング、及びチェックに明確なミスがあったとはいえ、侵食率が伸びなかったのはそのためだろう。


 次回はそのような孤立する状況を無くさないといけないなぁ……でも―― 。





牧場:コロンビアの麻薬組織が絡んでくると思ったんだけどなぁ……。





 もちろん、ただのやられ役として配置はしませんよ?欲張りなGMとしてはね。





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