コラム〜『スキルとタイプとエフェクトと』〜シンドロームと役割について




 RPGとは『役割を演じる遊び』であることは何度か述べました。そして、DX2もRPGである以上、役割というものが存在します。


 しかし、ワークスである程度の方向性がつくとはいえ、現代を舞台としていることもあり、他のRPGにおける『戦士』『僧侶』『盗賊』『魔法使い』等のように、ワークスだけではPCの役割を明確に定義立てることが難しいということも確かです。


 そこで重要な役割を担うのがシンドロームの組み合わせ方です。


 ワークスのみならずシンドロームを組み合わせ、エフェクトを選ぶことで、PCの個性に大きな差が生じ、役割にも向き、不向きが現れてきます。


 今回は、そのシンドロームの個性についての解説と組み合わせによって生じる個性について個人的な意見を交えつつ、語りたいと思います。





エンジェルハイロゥ:オフェンス寄りの万能タイプ。ただし、【肉体】【社会】は低目なため、余程計算立ててない限り、そちらでの活躍は難しい。逆に、【感覚】【精神】については苦戦する方が難しい。


 白兵:△ 回避:◎ 受け:× 射撃:◎ RC:○ 情報:× 交渉:× 支援:△ 回復:なし


 相性の良いシンドローム・タイプ:防御系以外ほぼ全て。ただし、前衛に回って攻撃する場合には、回避力を強化するエフェクトを修得しておくべき。なお、後衛に回る場合には<RC>による攻撃対象をシーン全体に変更する《スターダストレイン》があるため、トループ一掃には重宝する。また、射撃タイプでも優れた【感覚】とそれに拠る<射撃>を強化するエフェクトが揃っているため、かなりの活躍が期待出来る。


 概要:クリティカル値を下げるエフェクトが<シンドローム>に分類される《全知の欠片》と<射撃>専用である《小さな塵》に別れているため、バランス型・射撃特化型どちらかを選ぶことを推奨する。ただし、HPが低くなりがちなので、カヴァーリング要員には向かない。





・ブラックドッグ:かなりのオフェンス寄り。【肉体】そのものは低いが、シンドロームとワークスの組み合わせ、そしてエフェクトの選択によっては、反則じみた強さを発揮する。


 白兵:○ 回避:△ 受け:▲ 射撃:○ RC:○ 情報:△ 交渉:× 支援:△ 回復:弱いがある


 相性の良いシンドローム・タイプ:交渉・情報系以外ならほぼ全て。特に、<白兵>や<RC>に長けたシンドロームとの相性は高い。また、正攻法のみならず、<機械操作>を軸にしたエフェクトによる搦め手を駆使することで、情報の代用も可能になる。


 概要:ダイス数を増加させるエフェクトが複数存在するため、多岐に渡って活躍出来る。ただし、クリティカル値を下げるエフェクトである《MAXボルテージ》がシンドローム準拠のため、エフェクトの組み合わせ次第では活躍の度合いが一気に下がってしまうので注意が必要。また、受けについては多種多様の防御エフェクトが揃っているものの、肝心の射撃を受けるエフェクトを持っていないため、それ専用のエフェクトを有するシンドロームを選ばない限り、純然たるカヴァーリング要員は厳しい。





ブラム=ストーカー:単独ではRC寄り。ただし、従者込みならば応用性は飛躍的に増す。


 白兵:▲(◎) 回避:×(○) 受け:×(▲) 射撃:△(○) RC:○ 情報:△ 交渉:× 支援:△ 回復:強力 ※括弧内は従者を使用した場合。


 相性の良いシンドローム・タイプ:<RC>を中心にしたシンドロームとの相性は高い。また、白兵戦でもある程度の活躍が見込める。だが、このシンドロームの肝は《血の従者》によって生み出される従者と従者専用のエフェクト、そして、従者を生み出すことによって生じる手数の増加にあるといってもいい。従者中心にエフェクトを組み上げれば、情報収集や交渉事以外の全ての局面に活躍出来るキャラクターになることが出来るだろう。


 概要:従者専用エフェクトが大半を占めるだけあって、従者にどのような役割を負わせるかでキャラクターの毛色が大きく変わってくる。また、ダメージ軽減や回復が比較的容易に出来るため、防御要員としても優秀。ただし、従者を活用するとなると、当然ながら侵食値の上昇も単独に比べて飛躍的に伸びるため注意が必要。





キュマイラ:ほぼ純粋なオフェンス要員。


 白兵:☆ 回避:× 受け:▲ 射撃:× RC:× 情報:× 交渉:× 支援:× 回復:一応ある


 相性の良いシンドローム・タイプ:明らかに白兵戦に特化したエフェクトなので、白兵能力を強化するシンドロームがあれば良い。特に、<白兵>の対象を範囲に変えるエフェクトや装甲値を無視するエフェクトを持つシンドロームとの相性は抜群に高い。逆に、オルクスやソラリスといった<白兵>を強化するエフェクトが少ないエフェクトとの相性は、0ではないものの、正直言って低い。


 概要:<白兵>のエキスパート。その強靭な身体能力をさらに強化するエフェクトがふんだんに存在するため、白兵戦においては無類の強さを発揮する。ただし、クリティカル値を低下させるエフェクトが<白兵>専用の《鬼の一撃》であるために回避力は低く、装甲でカヴァーしようにも《完全獣化》を使用した場合には一切の武器・防具、道具の類が使用不可になるため、意外に打たれ弱くなってしまう。防御を考慮する場合には、《竜鱗》や《イージスの盾》を活用するのが良いだろう。





エグザイル:オフェンス向き。ただし、活用次第では応用範囲は広い。


 白兵:◎ 回避:▲ 受け:▲ 射撃:▲ RC:× 情報:▲ 交渉:× 支援:△ 回復:強力


 相性の良いシンドローム・タイプ:身体変化系シンドロームの常として白兵戦には強さを発揮するが、変則的な攻撃で相対するため、ダメージそのものはそれほど高くはない。言うなれば『当てること』に重点を置いているため、その弱点を補うガードを破るような攻撃を持つシンドロームとの相性が高い。また、『身体変化』エフェクトも有しているため、潜入捜査や情報収集にも一定の活躍が見込める。


 概要:エフェクトの印象は禍々しいものの、使ってみれば様々な局面で役に立つ器用さを持つ……『見かけによらない』という言葉がしっくり来るシンドローム。事実、攻防両面で使えるエフェクトが散見している。ただし、単発での非力さは否めないので、組み合わせるシンドロームをじっくり考慮する必要がある。





ハヌマーン:かなりのオフェンス寄り。平均的ではあるが、防御には向かない。


 白兵:○ 回避:○ 受け:× 射撃:○ RC:○ 情報:▲ 交渉:▲ 支援:△ 回復:弱いがある


 相性の良いシンドローム・タイプ:ほぼ全般的に平均的な強さを発揮するため、ピュアブリードでは個性が薄くなるものの、どこか一つに特化したシンドロームと組み合わせると、途端にその強さを跳ね上げる。そのため、キュマイラやオルクス、ソラリス等のような、コンセプトが一貫したシンドロームと組み合わせると良い。


 概要:組み合わせるシンドロームにスピードを付加するオプションパーツ―― ハヌマーン・シンドロームを評するとそんな『ステキパーツ』と呼ぶのがしっくり来る……ワケはないが、ハヌマーン自体の個性を押し出す、というよりはむしろ別のシンドロームと組み合わせてその強力な個性を極悪に増幅するイメージが強い。また、広範囲殲滅タイプのエフェクトにおいてはエンジェルハイロゥにも匹敵するものを持っている。ただし、クリティカル低下エフェクトが<運動>準拠の《猿飛》と【肉体】【感覚】準拠の上、HPを消費すると言うリスクを背負う《電光石火》の二種類であり、それ以外の攻撃方法を選択肢に入れる場合はクリティカル低下エフェクトを考慮しておかねばならない。





モルフェウス:強力な攻撃手段を有してはいるが、むしろ強力かつ多岐に渡るディフェンスが売り。


 白兵:○ 回避:× 受け:◎ 射撃:▲ RC:○ 情報:△ 交渉:× 支援:× 回復:そこそこ


 相性の良いシンドローム・タイプ:交渉や支援タイプには向かないものの、攻防どちらも強力さを発揮する。特に、物理攻撃を強化するエフェクトや攻撃と同時に相手の行動を阻害する<RC>系のエフェクトを有する組み合わせも有効だが、防御に長けたサラマンダーやバッドステータスをキャンセルするブラム=ストーカーやエグザイルと組み合わせると、まさに『鉄壁』と呼ぶに相応しい堅牢さを発揮する。


 概要:物質の状態を組替え、変化させるだけあって、物理的な攻撃やそれに応対する防御において強さを発揮する。特に、受けエフェクトと防具の装甲値を上昇させるエフェクトを重複させた場合にはそうそうそのガードは突破出来ない。





ノイマン:ほぼ反則じみた万能タイプ。弱点は強いて挙げるならばRCのみ


 白兵:○ 回避:○ 受け:△ 射撃:○ RC:× 情報:◎ 交渉:○ 支援:◎ 回復:なし


 相性の良いシンドローム・タイプ:RC・交渉による攻撃を行わなければどのシンドロームとの組み合わせも強力になる。強いて言うならば一点突破型のキャラクターの個性には最終的には負ける、と言う程度。


 概要:<白兵><射撃>に有効な《オウガバトル》、そして攻撃以外の全ての局面に力を発揮する《天性のひらめき》という二つのクリティカル低下エフェクト……これがノイマンの全てと言っても過言ではない。【感覚】【精神】共に高く、なおかつイニシアティブ上昇エフェクトである《戦局判断》も加味することで先手は取りやすいので、<白兵><射撃>による攻撃も、《アドヴァイス》《弱点看破》《勝利の女神》による支援効果で味方の攻撃力の底上げも行いやすい。侵蝕率80%以上の切り札技ではあるが、《確定予測》によってダイス数も増やしやすくなっており、いっそのことノイマン禁止令を発令してもいいくらいの強力さである。





オルクス:RC、交渉に長けた変則シンドローム。


 白兵:× 回避:△ 受け:× 射撃:▲ RC:◎ 情報:○ 交渉:○ 支援:○ 回復:申し訳程度


 相性の良いシンドローム・タイプ:キュマイラとは真逆で、<白兵>に関しては力を発揮しないものの、<RC>を主眼に置いたタイプ―― エンジェルハイロゥやソラリス等と攻撃、防御共に抜群の相性を誇る。また、優秀な目標数変更エフェクト《要の陣形》も保有しているため、支援エフェクトの目標数が増やせないノイマンを補助してパーティの戦力を大幅に底上げ出来る点も大きい。


 概要:前衛戦闘には向かないオルクスではあるが、後衛では攻撃・支援能力ともども高くなる。ただし、シンドローム単独で、というよりはむしろ組み合わさったシンドロームの良いところを増幅する、と言った方がいい―― 言うなれば後衛におけるハヌマーンのような『ステキパーツシンドローム』である。





サラマンダー:名前からは想像が難しいが、意外にも売りはディフェンス能力。


 白兵:○ 回避:× 受け:☆ 射撃:△ RC:○ 情報:× 交渉:× 支援:× 回復:なし


 相性の良いシンドローム・タイプ:<白兵>や<RC>を駆使した攻撃力も目を引くが、それ以上に防御能力の高さは特筆もの。特に、モルフェウスやバロール、ブラックドッグやブラムストーカー、キュマイラと組み合わせたら、堅い、強い、死に難いの三拍子揃った良質の壁キャラクターとして重宝する。逆にいえば、前記の三つ以外のタイプには向かない。


 概要:武器の受け防御力を引き上げる《氷盾》、飛び道具の受けを可能にする上、武器の防御力も増す《灼熱の結界》、受けたダメージを引き下げる《氷雪の守護》、バッドステータスを無効にする《揺るぎなき心》……そして何より、行動を消費するものの、成功すれば相手の攻撃そのものを無効にし、失敗してもなお普通に防御行動は行えるという防御エフェクトの極みと言うべき《氷壁》と、防御について至れり尽せりなサラマンダー。そのガードは戦車砲であっても易々と弾き返す。また、攻撃においてもHPを削ることでダメージを上乗せする《終末の炎》等もあり、高い火力を誇る。ただし、HPの低さを考慮に入れておかないと痛い目を見ることもある。





ソラリス:完全後衛系。パーティの癒し手であり、戦略兵器。


 白兵:× 回避:△ 受け:× 射撃:△ RC:☆ 情報:◎ 交渉:◎ 支援:◎ 回復:非常に強い


 相性の良いシンドローム・タイプ:<RC>を使った攻撃・支援エフェクトは強力極まりないが、防御行動にクリティカル低下エフェクトを使用出来ないため、それを補うエフェクトとの相性が自然と高くなる。そのため、エンジェルハイロゥやオルクス、ノイマンとの相性が良い。


 概要:明らかに後衛向きであり、余程の酔狂か切り札を持たない限りは前衛につくべきでない……というより、前衛につくようなもったいない真似をしてはいけない。それほどに貴重な純後衛系。





バロール:遅れてきた重力使いは戦場の優等生。


 白兵:○ 回避:▲ 受け:○ 射撃:○ RC:○ 情報:× 交渉:× 支援:× 回復:なし


 相性の良いシンドローム・タイプ:威力の増幅、防御力の増加、受け易さ……戦闘においては前衛、後衛どちらでも活躍出来るバランスの良いシンドローム。情報・支援系列には向かないものの、戦闘キャラとしては文句なしに優秀なキャラクターになる。特に、素手攻撃を装甲無視に出来るため、装甲無視攻撃を持たないキュマイラとの相性は非常に良い。


 概要:範囲に向けられた攻撃を自分に引き寄せる《孤独の魔眼》、そして、1シナリオにつき一度だけだが、無条件に相手の行動を失敗に追い込む《時の棺》等、独特な防御エフェクトが目を引くが、セットアップ・セグメントに使用するエフェクトで有利な状況、もしくは不利な状況を作り上げるのも地味に効く。抗えないその『状況』を如何に活かすかもまた、このシンドロームを活かすといっても過言ではないだろう。





 と、シンドロームとその適性についてここまで説明しましたが、管理人すがたけもまだまだプレイし尽くしたわけではありません。この先、シンドロームやエフェクトの組み合わせで新たな発見があるかもしれません。


 皆様も、ここでの説明をあくまで参考程度として捉え、独自の組み合わせを模索してください。その組み合わせの発見こそ、DX2の楽しみの一つなのですから。







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