コラム〜『なぜなにダブルクロス』5・素晴らしき?世界(前)〜




黒岩賢介:今コラムの講師。


 得意料理は野戦料理というサバイバーな医師。


 というか、ガスコンロが使えないので普通の家庭料理が出来ない、という辺り―― 既に一般人の枠から逸脱してるよーな気がしてならない。


黒岩真姫:今コラムの受講生。


 料理が得意であり、そのジャンルも一般的な家庭料理から本格的なスィーツまでと幅広い。


 つか、賢介氏がそっち方面に能力を発揮出来ないのは明らかにこの方&ご母堂さまのお陰だろうと推察いたす。時々作らせて見てはいかがでしょう?


ディック・W・アーヴ:今コラムの受講生。


 イタリアンを得意としているが、それ以外は作れないというアンバランスな料理の腕前……だが、それがいい。


 でも、北部か南部かを認識してるだけでも応用範囲は広がると思うのですよ?北部はフレンチの原型、南部は南部で海鮮を活かす料理は多いし。


橋尾晃太:今コラムの受講生。


 任務のために単身で行動することもあってか、料理は結構やるようであり、得意と自称している。


 しかし忘れてはいけない!こいつはそもそもモルフェウスなので、多少の失敗作は物質変換しながらでも食ってしまえるということをッ!!


 つまりは悪食なので、餌は適当に与えていればそれなりに大きくなります。結構長生きするので、飼い主の方は最後まで責任を持って飼ってください。





賢介:今回の講義は背景世界、ということは前にも言ったけど―― あまりにも範囲が広すぎるので、今回と次回の二回に分割して送ることにしよう。


 まず今回はオフィシャル設定の世界や組織―― とは言っても、組織についてはUGNとFHについての説明がその大半になるがな。


真姫:UGNとFH……ですか?


ディック:まぁ、レネゲイドウィルス、そして、オーヴァードとジャームという根本的なものを除けば、現実世界と作品世界の差異は殆んどその二つの組織にあると言ってもいいからね。


晃太:そーゆーことっス。自衛隊が『防衛隊』として再編されてたり、公安の対オーヴァード部隊<ストレンジャーズ>なんてのも組織されてはいるけど、実際にプレイに絡むといえば、UGNとFHが双璧っスからね。


賢介:そうだな。他にも、藍空シリーズにも出てきた海外系の犯罪者組織<ギルド>や日本最大のヤクザ組織の<鴻央会>、オーヴァードそのものを敵視している民間の武装自警団<ティンダロス>というのもあるけど、使い勝手のよさや世界レベルの規模、何より、PCが関与しやすいという点から考えても、どうしてもUGNとFHに集中することは否めないしな。


 という訳で、組織としてのUGNの説明からだ。ちょっと場所を変えて、日本支部に行くぞ。


晃太:シーン変えた?つーことは、侵食率も上がるのか?





UGN日本支部


登場ゲスト:『リヴァイアサン』霧谷雄吾&『聖なる瞑想者』藤崎弦一





賢介:という訳で、日本支部の二大巨頭と言ってもいいお二人の登場だ。


霧谷:(笑顔で)こんな形で登場するとは思ってませんでしたが……宜しくお願いします。


藤崎:(仏頂面で)宜しく頼む。


晃太:二大巨頭ってよりは『日本支部のアメとムチ』って言った方が―― 。





 藤崎、ミラーシェイドの奥からでも判る強い眼光で晃太を睨みつける。





晃太:な、何でもないっスー!


ディック:弱ッ!!


晃太:しょーがねーっしょ?!藤崎さんってすっげー怖いんスよ(ぼそぼそ)。


ディック:それは判る(ぼそぼそ)!


霧谷:……続けましょうか?UGNの組織形態についてでしたね?


 UGNというのは元来オーヴァードと普通人との共存を目的とした組織であり、最高意志決定機関である中枢評議会(アクシズ)を頂点に、本部から各国支部、そして、その各国支部の傘下にある小規模な支部といったピラミッド型の世界規模のネットワークを持つことは、以前にもここのコラムでも語られたかと思います。


 その広範なネットワークと対オーヴァード技術のノウハウ、そして、パトロンとなっているヨーロッパを拠点にした巨大企業グループ『ランカスター・グループ』の経済力もあって、政治的発言力もそれなりに高いのですが……。


藤崎:あくまで我々UGNは普通人とオーヴァードとの平和的共存を目的としている組織であり、各国政府に対して協力を依頼することやされることはあっても、政治介入をすることや特定の組織に肩入れすることもない。


 そのためにも中枢評議会は民族や国籍も違う感染者と非感染者それぞれ6人という体制で運営され、あくまで中立の立場を貫いている。


霧谷:中枢評議会のその立ち位置は私達のあり方と無関係ではありません。


 私達は『異能力』という名の力を持っています。その力に振り回されることなく、自らを律さないといけないし、『力』を持っていることをいいことに好き勝手に振る舞う真似は出来ない―― という訳です。その力に振り回され、溺れてしまえば、待っているのは破滅だけですからね。


藤崎:とはいえ、自らの力を厭うあまりにその力を制御する術を知らぬまま隠し通そうとし、却って暴走を引き起こす例も残念ながら何度となく起こっている。


 だからこそ、我々UGNの研究施設では日夜レネゲイド・ウィルスの制御・抑制のための研究が絶えず行われている、ということだ。


真姫:あにさまが前に真児くんに使った薬(アポシートス・トランス)も、その研究の中から生まれたんですね?


霧谷:そういうことです。あなたのお兄さんには本当によくやってもらっています。


真姫:えへへ……だそうですよ、あにさま(///ヮ///)ゞ


賢介:まだまだあれは試作品ですよ。副作用があるし、効き方も不安定―― 第一、ウィルスを死滅させる以上に感染者の生命力まで大幅に奪うような薬なんて、欠陥品もいいところなんだけどな(■x■)。


藤崎:組織としてUGNを見ると、研究班……アール・ラボホワイト・ハンドと呼ばれる医療班、そして、UGNの最後の切り札と言っていいストライク・ハウンドのような戦闘部隊や対FH専用情報部隊ノルクスカットや本部直属の査察部のような情報戦に特化したセクションといった具合に大別して4つのセクションに分けることが出来る。


 規模によって差はあるが、各地方の支部もほぼ例外なくこの4つのセクション全てを持っていると思って構わないな。


賢介:まぁ、藍空支部のように研究班と医療班が殆んど一体化している所も多いけど、これはその支部の規模云々というよりは、レネゲイドというものがまだ未解明な部分が多く、医療班と研究班とが密接な情報交換を行わなければならないという事情がある以上、仕方ない向きもあるんだけどな。


 同じように、データのフィードバックという必要に駆られて戦闘部隊と研究班や情報部隊とがリンクしていく内に、何時の間にか一体化していく、という事例もある。特にこの例はリプレイのアライブ・シリーズにあるような小規模の地方支部に顕著だ。


晃太:つーか、それ……チームがリンクしていくというよりは、むしろ人員がどんどん減っているってことの証明でもあるんスよね(汗)。


真姫:わ、わわわわわわわわわわ……それは大変ですよッ(あせあせ)?!


ディック:でも、支部単位で一つのチームが完成している、というのは大きなメリットではあるけど、ある種デメリットにもなるんだよな。


晃太:そっスね。支部が一つのコミュニティを作ってるっていうことは、その外の存在にはどーしても疑いを持っちまうし、命令系統が縦一本だから、地方支部同士の横の連携が取りづらくなるってデメリットもあるっスからね。


霧谷:……私達も出来るだけ迅速に地方支部同士で連携を取れるようにしたいのですが―― 耳が痛いですね。


藤崎:しかし、だ。あまり強すぎる裁量権を地方支部長に与えすぎた場合、支部全体が知らず知らずの内に支部長の私兵とされてしまう場合もある――かつて全国規模で同時に行われた 長瀬の反乱という、最悪の事例もあったようにな。


 それでなくとも、現場の勝手な判断で動いてしまうようでは、組織というものは立ち行かない。組織力こそがUGNの最大の武器である以上、独り善がりな判断でその武器の刃を鈍らせてしてしまうことは愚か以外の何物でもない。


 例えば、敵の情報を感知しながらそれを明かさずに単身で乗り込んだ挙句、返り討たれるような真似をするようなチルドレンなどのような、な(じろり←晃太を睨みながら)。


晃太:|||orz|||スンマセンスンマセンスンマセン反省してますスンマセンスンマセンスンマセンだから無言で睨みつけるのやめてくださいスンマセン……。


霧谷:いいじゃないですか、藤崎さん。こうして晃太くんも生き残っているんですし。


 (晃太に)ああは言ってますが、彼もUGNにいる全てのエージェントやチルドレン、イリーガルに至るまで守りたい、と思ってのことなんです。だから、あまり怖がり過ぎなくても大丈夫ですよ(ぼそぼそ)。


藤崎:………………無駄口が過ぎるぞ、霧谷。


霧谷:ふふっ、これは申し訳ありませんでした(笑顔)。


賢介:と、実際のプレイの際にはこんな風に『暖簾に腕押し』な日本支部長と『厳しいけれど、実はツンデレ』な上位エージェントという位置付けでキャラを立てた方がやりやすくなるな。


ディック:デレ部分殆んど見せないけどね(笑)


賢介:実際のプレイ、という点で思い出したけど、性質上、UGNは表立っては存在しない、という形式を取っている。しかし、年齢や立場が違うような人達が一堂に会するのも不自然だ。だから、あらかじめカヴァー組織として適当なダミー会社などを設定しておく等の手を打っておくのも、リアリティを求める上での楽しみ方の一つではあるな。


晃太:そっスね。一応俺も真琴もバイトとして藍空支部のダミー会社に出入りしているってことにしてるっスからね。


真姫:なるほどー、じゃあ晃太くんは先輩ですね。いろいろ教えてくださいねッ♪


晃太:わっかりましたッ!!じゃあ早速あっちで―― 。





 晃太、真姫の肩に手を回そうとしたところで賢介&ディック&どこからともなく疾風の如く現われた、小麦色の肌をした野性的な少年―― 元<壊れた魔獣>こと『黒岩真児(命名:真姫)』によって一瞬で惨殺される。





賢介:ナチュラルに何をしとるかッ!何をッ!!


晃太:(《リザレクト》を使って復活)やかましいッ!《バリアクラッカー》まで使って殺しに来るなよ、この妹魂―― って、痛い痛い痛い痛い噛むな噛むな噛むな噛むなッ!!


真児:オマエ、真姫おねえちゃんに何しようとシテタ?


晃太:ガキには関係ねー……って、判ったッ!止めろッ!判ったから《獣の王》に《リミットリリース》まで絡めようとするのは止せッ!そればっかりは洒落にならねーッ!!


ディック:……つか、真児―― こんなところに登場するってことは…再登場の目途が立ったんだ。


真姫:すがたけさんによると、『次(2007年10月時点)のシナリオのキーになるキャラと絡む要素を持っている以上、使わない手はない』とのことですが……これって、喜んでいいんでしょうか?


賢介:こればっかりはシナリオの流れとPLの思惑にもよるから、手放しで喜んでもいられないが……こうして元気になったことに関しては、喜ぶべきかもしれないな。


晃太:ま…まー話を戻すけど、拠点になる場所ってのは、俺らのようにダミー企業の自社ビルなんかもいいけど、仮面ライダーの『喫茶アミーゴ』や『立花モータース』みたいな『溜まり場』ってのもいいっスよね。


 『アライブ』で支部になってる『ペリゴール』なんてモロ好みっスよ。


賢介:だから幾つなんだ偽者高校生ッ?!


晃太:いいっしょッ!好きなんスよ、昭和ライダーッ!!


霧谷:ペリゴールもいいですが、秋葉原の喫茶店『ゆにばーさる』も宜しくお願いしますねー(笑顔)。


ディック:むしろ誇らしげッ?!


晃太:つーか、味に拘りあるのは判るけど……UGNの関係者はあの店じゃ逆に落ちついて飲めねーんスよ。淹れてるのが霧谷さんだって知ってる限りッ!!


霧谷:いや、残念ながら、あの喫茶店の紅茶を淹れているのは私ではありません。


 私に良く似た謎のマネージャー・リヴァイアさんです(きっぱり)。


晃太:謎って何スか、謎って――――ッ(卓袱台錬成&返し)?!


藤崎:……このように、任務が絡まない霧谷がこのような性格で描かれるのは、恐らくは『ここ』だけだと思われる。これをスタンダードと思わないように。


真姫:そ、そうなのですか(汗)。


賢介:じゃあ、次はFHについての説明だ。場所を変えるぞー。


??:いいえ、場所を変える必要はありませんよ?





 その『女性』の声と共に突如ワーディングが発生する。


 セピア色に変わる世界の中、胸元に血のように赤いスカーフをあしらった黒いジャケットを纏い、悠々と歩むその黒髪の女性に、その場の大半が息を呑んだ。





都築:確か、霧谷さんや藤崎さん以外の皆様には初めましてですね……FH日本支部長…都築京香です。以後お見知り置きを。


FH日本支部


登場ゲスト:『プランナー』都築京香&『リヴァイアサン』霧谷雄吾&『聖なる瞑想者』藤崎弦一




 背中の半ばまで伸びた長い黒髪を躍らせ、悠然と一礼する都築京香に向けて、剣尖と銃口、攻撃的な視線が向けられる。





真姫:FHの日本支部長って……えっ……えっ(狼狽)?!


晃太:へっ…『プランナー』ともあろうお方がたった一人でアウェイのど真ん中に来るなんて、FHもずいぶん人材不足なんだな。


都築:ええ、優秀な人材はいくらいても足りません。貴方もどうです?FHはいつでも門戸を開いていますよ?


晃太:……てめぇ。


藤崎:安い挑発だ。乗せられるな、橋尾晃太。


霧谷:そうですよ。悪ふざけはそのくらいにして頂けませんか、都築さん?


 そもそも、GM力を持ってここにいらした以上、こちらから貴女に手を出してもキリがない代わりに、貴女もこちらに手出しは出来ないことは百も承知のはずですよ?


都築:ふふ、思った通り、貴方方には通用しませんか。


 ずいぶんと嫌われているようですから、手早く要件を済ませましょう。


賢介:あんなにも軽々しくGM力を与えるとは……王子の奴め、後でシメる(ぼそぼそ)。


ディック:ぶ、ぶらざーが言うことじゃないよーな(ぼそぼそ)。


都築:支部、とは言いましたが、ピラミッド型の組織形態であるUGNと違い、FHは中核(セントラルドグマ)からセルリーダーと呼ばれるエージェントの管理するセル―― つまりは『細胞』という意味ですが、各々のセルへと直接指令を下すシナプス型の組織形態を採っています。


 UGNの各地方支部と違ってセルリーダーの裁量権が大きいことから、他のセルとも目的が競合する場合もありますが、連携の取りやすさや情報の共有のしやすさは、隠蔽工作を取る秘密主義のUGNとは格段の開きがあります。


晃太:で、競合の如何によっては、セル同士で潰し合うことに関しても躊躇しねぇ―― ってトコだろ?


都築:ええ、そうですね。


 UGNという組織が、エージェントやイリーガルの組織に対する高い帰属意識で構成されている点に対して、FHを構成する大きなファクターに“欲望”という感情がある以上、残念ながら、セル同士による競合という事態が起こる可能性はゼロではありません。そこで神経細胞のように、セントラルドグマや各種部隊…ムーンドッグのような戦闘部隊や研究開発セルツー・タイム等のような中核的なセルと一般セルの中間に立つ繋ぎ役として一定以上の権限を手にしているエージェント……リエゾンエージェントと呼ばれるエージェントが、調停役に回って事態の沈静化を促すこともありますし、いざという場合にはUGNに情報を引き渡すことで事態を打開して頂く場合もあります。


賢介:……打開、ね。体よく利用する、の方が正しいんじゃないのか?


都築:利害の一致、と呼んで欲しいですね。


 UGNの理念はあくまで現在の秩序の維持である以上、無用の混乱を避けたい私の理念とも一致します。協力出来るところでは敵であろうとも協力するのが、正しいやり方ですよ?


 とはいえ、『マスターレイス』のようにセントラルドグマからの指令よりも自らの性急なやり方を優先し、UGNやFHの大多数とも一線を画した独自の組織を形成しようとするエージェントもまた存在するんですが、ね。


ディック:……単に足並みが揃っていないだけなんじゃないのかな?


都築:否定はしません。先程も言いましたが、FHの構成員はUGNと違い、組織への帰属意識が薄いという難点がありますからね。


 ただし、それでもなお彼らがFHから離れない理由は、レネゲイドを進化の側面と位置付け、その存在を認めた上で昇華し、そして、乗りこなそうという強い意志があるからです。


 裏では研究しているにも関わらず、その成果を隠し通すUGNと違い、利用出来る力は出来る限り利用する合理性を持っている、と言ってもいいですね。


晃太:……確かに、FHの研究機関の『成果』は凄ぇよ。実際に戦ってる戦闘部隊の一人として、それは認める。


 けど、手前ェらの言う『研究成果』って奴が気が遠くなるほどの犠牲の山の上に成り立ってる以上―― 俺達は手前ェらを認めるわけにはいかねぇよ。


霧谷:晃太くんの言う通りです。それに、我々の研究はあくまでもレネゲイドを抑え込むことですからね……貴女方FHの利用することを前提とした研究目的と敢えてごっちゃにすることで、こちらの不信感と対抗意識を煽る様な真似は控えて下さい。


都築:ふふ、それは失礼。


 しかし、最後に一言だけ言わせて頂きますが、『UGNの望む秩序』は既に崩壊していることもまた確かなはずです。


 考えても見て下さい。オーヴァードやジャーム……ひいてはレネゲイドが引き起こす事件そのものを誰もが薄々と感じているということは、銃刀法が大幅に改正されたり、防衛隊や武装自警団が組織されていることで既に明らかなはずです。


 にも関わらず、貴方方の望む壊れかけの秩序を維持するために表沙汰に出来ない―― そのような対症療法を続けていても、早晩破綻することは目に見えています。


 私としても、その破綻をみすみすと見過ごすことは出来ません。だからこそ、この壊れかけの秩序を棄て、新たな秩序を作り上げる。それこそが―― 。


賢介:都築京香の言う『プラン』ということだな?


都築:ええ……正しくは『プランの一部』ですが、ね。


 それでは皆さん、お騒がせしました。次は……出来れば戦場で―― 。





 都築京香、慇懃な一礼を残して立ち去る。


 それに伴ってワーディングが解け、その場に残る張り詰めた空気も弛緩する。





真児:アイツ誰?……すごく怖イ。


ディック:都築京香……日本のFHの中で一番悪い奴だ。


真児:ジャア、あいつ敵か?真姫おねえちゃん狙った奴の仲間カ?


藤崎:ああ、そうだ。しかし、黒岩真姫が狙われた事件に直接関与しているかどうかはまた別かもしれない。


霧谷:そうですね。彼女もFHという組織は、一応組織という形態をとってはいるものの、必ずしも足並みは揃っていないと言っていました。


 そして、彼女の支配下にあったはずの『マスターレイス』日下部仁もまた、今は独自に動いている、とも。


晃太:じゃあアレっスか?ヤツは俺達を使って『マスターレイス』を消そうとしてる訳っスか?


霧谷:恐らくはそうでしょう。しかし、『プランナー』ともあろう者が、そのような単純なプランで動いているとも考えられません。


 この案件は私達も精査してみます。藍空支部の皆さんも藍空支部で入手している情報の調査をお願いします。


真姫:は……はい、判りましたッ(←情報部所属)!!






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