コラム〜『なぜなにダブルクロス』17・アイテムを活用しよう!〜





黒岩賢介:今コラムの講師。


 散々ジゴロジゴロだと言われ続け、その度に否定し続けてきたのだが……コンベンションでヒロインである小国の姫と敵役だった自動人形の暗殺者をごく自然に同時攻略するという……言わばジゴロールプレイという偉業を成し遂げ、周囲の皆さんを驚愕の渦に叩き込むとともに、やはりジゴロだということを証明してくれた。


 エンディングでヒロインである姫君にパーティを差し置いて「この国にはあなたが必要なんです!」と言わしめる辺りは、下がる漢であると同時に、落とす漢でもあったといえる。


黒岩真姫:今コラムの受講生。


 兄君とコンベンションに赴き、そのジゴロっぷりを伝えてくれたのはいいが、肝心な自分のプレイ模様を伝えてはいないちゃっかりさん。


 でもまー、恐らくはいつものプレイと同じく、美味しいものをゲット(比喩表現に非ず)する口福なロールプレイ……を行ったであろうことは想像に難くない。なので、出来ましたらプレイレポートを出して下さいお願いします(平伏)。


ディック・W・アーヴ:今コラムの受講生。


 賢介氏ほどではないものの、恋愛絡みのロールプレイをすんなり行えるのは素晴らしいの一言。


 だが……狙ってなのか、それとも素なのかは判然としないが、そのロールプレイ中に実によくはんにゃゲージを上昇させているため、GMとしてはお約束を実践しやすくて助かります。ひゃっほうもっとやってくれ。


橋尾晃太:今コラムの受講生。


 負けロールプレイでは他の追随を許さない、生粋の負けキャラ。


 汚名返上しようと張り切って臨んだ他のシナリオの登場人物たちとの戦闘訓練では、思い切りダイス運にも見放されて惨敗を喫したため、「こいつホントに元ボスだったのか?」と首を傾げまくったのは言うまでもない。


 だが、それ以上に、ダイスの神様直々に負けキャラであることを証明してくれたようなものでもあるため、ダイス振ってたGM自身が大爆笑してたのは、キミとボクとの秘密だッ!!


端木葵:今コラムのおやびん。


 某所で久々にお会いしたけど、やはりおやびんはおやびんでした。


 ロールプレイなどではなく、素で「うん。○○さんはスカート穿いても似合うと思うなぁ(はぁと)」と男性に向かって笑顔で言い放つその様には……思わず「突然だが俺の膝がッ!」と、某萌えないアコライトばりの仮病くさい発作を起こしてしまうほどでした。いや、美○さん……あの時は庇ってやれなくて残念です(しれっ)。


黒岩真児:今コラムの受講生。


 実は最近カタコト喋りがややこなれて来たのだが……気付いた方はいらっしゃるでしょうか?


 でも、完璧にこなれてしまっては朴訥ロールプレイの担当者がいなくなるので、正直どうしようかと悩んでおります。





賢介:今回の講義はアイテムについてだ。


晃太:アイテムについては前にも少し触れたっスよね?


賢介:ああ、そうだな。でも、あの時に触れたのは振ることの出来るダイスを増やして判定を有利に進めるためのアイテムだけだったが、今回はアイテム全般について紹介することにしよう。


真児:デモ、そうは言ってもアイテムは判定を有利にするためにあるものじゃないノカ?


賢介:いや、確かにアイテムは判定を有利に進めるための要素も持っているんだが、100%それだけ、というものでもないんだ。


真姫:えっと……どういうことですか?;・w・ミ


晃太:DXの場合、アイテムってのは大まかに分けると、武器や防具、コネの類のような判定ダイスを増やしたり、攻撃力や装甲値のような、判定の固定値を増やすことでキャラの能力を底上げするものと、各種薬やリアクティブアーマーみたいなエフェクトの代わりになるもの……あとは、直接判定には関わりないけど、ロールプレイを演出するためにあった方が面白い……例えば、使用人とかレネゲイド・チェッカー、偽造身分証明書みたいなもの――ってな感じで区分することが出来るんスよ。


賢介:概ねは晃太の言う通りだな。アイテムには判定に関わりがあるものとそうでないもの、判定や生存に有利になるものとそう有利にもならないが、キャラを立てるにはいい小道具となるもの、という区分けが出来ると言える。しかも、アイテムにはエフェクトにはない利点もあるが……なんだと思う?


ディック:……誰でも使える、ということかな?


賢介:そう。シンドロームやエフェクトに関係なく、どのキャラであっても一定の効果を上げることが出来る、というのは紛れもなく大きな利点だと言えるだろうね。


 特に、《氷雪の守護》程の高い効果は持っていなくとも、受けたダメージを軽減することが出来るリアクティブアーマーや、マイナーアクションに服用することでバッドステータスを回復するSkyCrystalなんかは、本来ならエフェクトでしか得ることの出来ない効果を侵蝕率というリスクを負う事なく得ることが出来る分、ある意味ではエフェクトよりも優れている、と言ってもいいかな。


葵:でも、そういったアイテムを揃えるのも難しいですよぅ。


真児:ソーダナ。固定化ポイントが高くないと、アイテムはなかなか揃え難いヨナ。


真姫:確かにそうですね。戦闘のことを考えると、どうしても固定化ポイントに関係してくる【社会】や<調達>を成長させることについては後回しになりますからね。 ・x・ミ


晃太:戦闘にまで【社会】使うのは、ソラリスか支援系のノイマン×オルクスぐらいっスからねぇ……よほど先を見て経験点をつぎ込まない限りは、アイテムを持つのも厳しくなるっスよ。


ディック:でも、途中でアイテムを入手することも出来るんだよね。


賢介:うん、そうだねぶらざー。確かに<調達>判定でアイテムを入手することは出来るけど、判定である以上、ある程度以上の達成値は必要になってくるし、大抵の場合は固定値よりも<調達>の目標値の方が高くなってくるのは忘れちゃいけないね。


葵:それに、ある程度以上の目標値となるとどうしてもクリティカル値を下げなければいけないけど、<調達>の―― 【社会】の判定のクリティカル値を下げることが出来る手段は限られてきますからねぇ。


真児:ケンにーさんみたいなノイマン以外は、回数制限がある《マインドエンハンス》だけしかクリティカル値を下げるエフェクトがないかラナ。<調達>の目標値が高いものを手に入れるには、どうしてもリスクは出てくルナ。


晃太:まーな。《ブラックマーケット》や《黄金錬成》のような固定化ポイント自体を増やせるエフェクトや、《ブレードマウント》《ガンマウント》みたいな、『隠匿:7以下』という一定の縛りはあるにせよ、固定化ポイントを使わずにアイテムを入手出来るエフェクトがあれば、固定化ポイントに関する心配もそれほどしなくていいけど、そういったエフェクト持ってるのはごく一部だからな。


真姫:《ブレードマウント》と《ガンマウント》はメジャーアクションに使えるエフェクトじゃないんですか?・w・ミ


晃太:あー、それはちょっと違うっスよ。《ブレードマウント》《ガンマウント》はメジャーアクションにその固定した武器を使う場合にダイスボーナスを得ることが出来るのであって、アイテムとしてはリアクションであっても使用できるんスよ。じゃないと、こんな風に電磁シールドを《ガンマウント》で持ってる意味ないっスからね(がしょん、と義手に内蔵した電磁シールドを展開する)。


真姫:ああ、それが『みんなが防具レスな戦闘訓練で、盾まで持ち込んでた』って言われてた、あの電磁シールドですね(さらっ!)


晃太:しょーがないじゃないっスかッ!真琴を筆頭にオレの周りはアイテム使わなくても桁違いってな奴らばっかりっスから、オレみてーな凡人はいろいろアイテム使って小細工しないとついてけないんスよ。生き残るための多少の小細工は容認して下さいッ!(一同爆笑)


真児:コータ、キャラ変わってなイカ?


晃太:ああ……もーちょいで台無しのカバの極東支部長になるところだったが……アレは下がる漢と同じく賢介せんせーのキャラだからな(電磁シールド起動)。


賢介:誰が下がる漢だッ!?(←《マルチウェポン》《雷光撃》のコンボ)


晃太:アンタ以外に誰がいるッ?!(はっし、ぎりぎりぎりぎり)


賢介:そもそも矢野キャラよりも天キャラの方が好みなんだッ!!


葵:じゃあ賢介さんはこれからビッグ・ザ・陳老師で行きましょう。


賢介:それだけは勘弁してくださいおやびん |||_| ̄|○|||


真姫:だったらダンディ(クレオパトラ・ダンディ)はどうですか、あにさま♪´ヮ`ミノ


賢介:待て妹よ!選択肢にはそんなのしかないのかッ!?(一同大爆笑)


真児:天キャラがいい、と言ってしまったケンにーさんが悪いぞ、こレハ。


晃太:だから素直に矢野キャラの主人公体質にベクトル向けてりゃ良かったのにな……まー、賢介せんせーの生き様はむしろザーフィかもしれねーけどな。


ディック:えっと……ザーフィっていうと?


晃太:行く先々どころか、異世界でも出会う女性を手当たり次第に落としまくった落とし神っス。


ディック:なるほどッ!!(超納得)


賢介:そんなので納得するなよ、ぶらざぁぁぁぁぁぁっ!!


真姫:あにさま……否定、出来るんですか?ΦωΦ


葵:うちも否定は出来ないと思いますよぅ(うんうん)。


賢介:……本当は純情一途なのに……何で皆信じてくれないんだ。|||_| ̄|○|||


ディック:自分で言うからだよ、きっと(しみじみ)。


葵:まぁ賢介さんをいぢめるのはこのくらいにしておいて……アイテムには今まで挙げたものとは別のカテゴリーに入るものがありますけど、なんだと思いますか?


 晃太くんに関連するものですから……晃太くんは回答しないで下さいね。


真児:アー、判っタゾ。エフェクトで作ることが出来るアイテムダナ?


葵:はい、その通りですよぅ。


 モルフェウスを筆頭に、エフェクトでアイテムを作ることが出来るシンドロームは幾つかありますけど、そういったアイテムには、固定化ポイントや購入判定……あと、隠匿判定を気にしなくていいというメリットがあると同時に、デメリットも存在するんですが、どんなデメリットか判りますか?


 んー、じゃあディックさんどうぞ。


ディック:侵蝕率を上昇させる、というのはあるんだろうけど……あとは何ですか、はずさん?


葵:同じエフェクトで複数のアイテムを作ることが出来ないというのと、作ったアイテムの受け渡しが出来ないというのが答えだったんですけど、やっぱり難しかったですねぇ。


真姫:あっ、そう言われてみたら確かにそうですよね。《光の剣》なんかを人に渡すことは出来ませんよね;・w・ミ


ディック:渡すことが出来ない、というのは判ったけど、同じエフェクトで複数のアイテムを作ることが出来ない、というのはデメリットになるのかな?


賢介:デメリットというにはちょっと状況は限定されるかも知れないね。でも、《マルチウェポン》を使って攻撃力を増強する、という戦法を採っているキャラには、攻撃力を上乗せする手段が少なくなることには違いないし、勘違いして複数の武器を作ろうとすることも、ない話とは言えないからね。


晃太:あと、エフェクトで作るアイテム絡みの間違えやすい話なら、《物質合成》もあるっスよ。


 武器と武器、防具と防具を組み合わせて、そのデータを合計する、ある意味《マルチウェポン》に似てるエフェクトなんスけど、エフェクトで作ったアイテムはエフェクトで作ったアイテムとだけ、通常のアイテムは通常のアイテムとだけしか組み合わせることが出来ないって制限があるっスからね。プレイしてる最中に間違い指摘されてプランがすっ飛んだ、なんてのもよく聞く話っスよ。


賢介:《物質合成》はダンディの陰に隠れてはいたけど、公式リプレイで堂々と間違いを掲載されていた、という例もあるからな……確かに難しいエフェクトではあるな。


 でも、アイテム絡みでそういった厳しい制約があるということは、裏を返せば、アイテムは効果的に使うことによってキャラの強さをさらに引き上げる、という側面を持っているということの証明でもあるわけだからな。巧く活用することで、戦況を有利に運ぶことが、より確実に生き残ることに繋がる―― そう肝に銘じておくことが肝要だな。


晃太:そっスね。素で強いからって言ってアイテム類を軽視してると痛い目見るっスからねぇ。


 GMの知り合いも、武器用意しないまま射撃キャラ作っただけならまだしも、<調達>判定もしなかったから、クライマックスになって泣きを見たって、笑うに笑えない話があったっスからね。


真児:ソ…それはちょっと違うと思ウゾ(汗)。





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