道に現れる妖怪の総称である“道怪(みちのけ)”や、幽霊(ざしきわらしや吸血鬼なども含みます)に河童(をはじめとした水にまつわる妖怪や変化)や鬼(熊や猪のような力自慢の変化もこれに含まれます)……そして“マレビト”という宇宙人をはじめとした一風変わった来訪者のことを称して、『もののけ』と呼びます。
 人里となじみが深く、比較的人に近い生活圏を持つ狐・狸・猫・犬・兎・鳥の動物達の変化よりもほんの少しとはいえ人から離れた存在であるため、もののけは、人を『びっくり』させる場合の判定値に+1の修正を受けます。
 自らとなじみの薄い存在であっても全て受け入れることが出来るほど、人の心は強くはないのです。
 土地神様は『山の土地神』『森の土地神』『浜の土地神』『池の土地神』……といった具合に、それぞれに縁のある土地にまつわる力を持っています。
 変化やもののけ特有の能力と一緒に、土地神ならではの能力を併せ持ちますが、裏を返せば縁のある土地から離れた場合には普通の変化やもののけと同じかそれ以下の力しか持てない存在でもあります。
 また、土地神様はよほどのことがない限り人前で正体を現わすことはありません。
 蜘蛛や古木などといった、普通の変化やもののけともやや外れた正体を持つことが多い土地神様は、自らの本来の姿が人にとってあまりに怖い存在であることを知っているのです。

FIRE STARTER!!

ゆうやけコラム・2 すずちゃんに聞いてみよう〜変化・もののけ・土地神様



ゆゆあ、すずちゃんすずちゃん?


鈴音なんじゃ、ゆゆ?


ゆゆすずちゃんって、おやしろを持っているんだから、土地神さまなんだよね?


鈴音いや、お社を持っていても土地神、というわけではないぞ。ただの変化であっても、わしのような狐であればお社を持つことは出来るし、逆に、土地神だからといっても、古い木の土地神のように、お社らしいお社を持たずにただそこにあるだけという土地神どのもいる。


 とはいえ、土地神というのは変化やもののけといった『あやかし』の類の中でも特に年を経て力を得たもの、というものが大半なのじゃから、その区別は実に曖昧なものなのじゃがな。









ゆゆ……んっと、『もののけ』さんっていうのは、サーカスの時に会ったタローくんみたいなゆーれいさんとか、ギンちゃんのようなにょろにょろさんなんかを言うんだよねっ!


鈴音うむ、そうじゃな。しかし、もののけはそのような判りやすい『妖怪』以外にも、熊や猪、蛙やアザラシのような人とはややなじみの薄い動物の変化なども含まれるのじゃ。


ゆゆ……? かえるさんは田んぼに一杯いるよ?


鈴音確かにゆゆの言う通り、蛙は人里でも見ることが出来る動物には違いないのぅ。じゃが、わしらや人のような『陸の世界』の住人とは違って、蛙も『水の世界』の住人じゃからな。そういった意味では、わしらのような変化ではなく、もののけの一種である『河童』の眷属であると言えるじゃろう。


こたろあと、もののけと俺達のような変化との違いには、人に正体を見抜かれたときの驚かれ方が違う、というのもあるな。


鈴音うむ。変化よりも人から遠い存在な分、人から恐れられる度合いも少しだけ大きい、ということになる訳じゃな。










ゆゆでも、もののけのみんなも人と仲良くしたいんだよね。


こたろそうだな。だから、もののけ達は人と出会った時には余程のことがない限り、びっくりさせないように気をつけているし、びっくりさせてしまいそうな場合――完全な人間態に変身するための想いやふしぎがより多く必要になる朝や昼なんかには、出来るだけ人前に現れないようにするといった工夫もしている。


鈴音しかし、龍浦のもののけの中には朝や昼であっても人前に出て行って、しかも受け入れられている剛の者がいるようじゃな。


こたろコータローのことだな。好きな人と一緒にいたい、の一念でああまで出来るというのは、ある意味尊敬に値するな。


ゆゆゆゆもみんな好きだよー。


こたろそうだな。その気持ちを忘れるんじゃないぞ、まめ(前足でかいぐり)。


ゆゆえへへー(てろてろ)。

 
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